オフィスにおけるアロマ空間デザインの3つのポイント

オフィスは、一日の大半を過ごす場所です。

オフィス空間に心地よい香りが流れていると、
スタッフや訪客の五感を刺激し、生産性や幸福度にポジティブな影響を与えます。

アロマの機能性を効果的に活かした空間デザインを実現するための3つのポイントを紹介します。

目次

1)目的を明確にする

まず一番大事なことは、香りを導入する目的を明確にしておくことです。
香りを導入することで空間をどうしたいのか、それをはっきりさせると、それぞれのスペースの機能や用途に合った香りの選定がスムーズにできます。

ー集中力アップを期待させたいという目的ならー

「頭脳明晰効果」
例えば、集中力アップを期待させたいという目的なら、ローズマリーやペパーミント、レモンのような、頭脳明晰効果の高いエッセンシャルオイルがおすすめです。実際に、レモンを香らせた場合に、仕事のミス率が半分に減ったというデータがあります。

「ミス率の減少」
他にも小学生高学年を対象とした計算ミス率を集計すると、ペパーミント油を嗅いだ時は23.8%、オレンジ・スイーツ油を嗅いだ時は27.3%減少したという実験データもあります。(引用元:『小学生の計算力と気分に与える精油の影響』熊谷千津、永山香織)

ーブランドイメージを向上させるという目的ならー

「視覚と嗅覚の連動
一方、ブランドイメージを向上させるという目的であれば、オフィスのインテリアやカラーなどの要素に合わせて、雰囲気と調和する香りを選ぶことも重要です。
香りは嗅覚に訴える感覚ですが、インテリアとの連動により視覚と嗅覚が連動し、より効果的な空間演出が可能となります。例えば、木材を使用した家具や自然素材のデザインの空間の場合、ウッディな香りを演出することで、視覚と嗅覚の両面から自然な雰囲気を創り出せます。

「ブランドイメージの表現」
インテリアとアロマの組み合わせは、企業やブランドのイメージを表現する重要な要素となります。
例えば、自然や健康を重視する企業のオフィスでは、自然素材のインテリアやグリーンを効果的に使っていることでしょう。そういったオフィス空間には、健康的なイメージのスイートオレンジや、前向きな気持ちにさせるベルガモットなどの相乗効果の高い香りを取り入れることで、そのブランドの理念や価値観を五感で体現することができます。

このように目的をしっかり定めることで、香りが空間と相乗効果を高め、空間の機能性や雰囲気をより一層引き立たせることができます。

2)配置場所を考慮する

次にオフィスのアロマ空間デザインをする上で重要なことは配置場所です。
エントランスや共有スペースなど、従業員や訪客が集まる場所に設置するのがベターです。
従業員さんの席に近いところに置いてしまうと、香りが滞留しやすくなるため注意が必要です。
最適な香りの配置計画を行うことで、おだやかに香りが拡散し、無意識下でも心地よさを感じる空間演出が可能になります。
設置場所は、壁掛けが一番ベストです。床に置くよりも香りの拡散が拡散しやすいですし、何より足元が邪魔になりません。ウェルネスコンサルティング株式会社ではこういった壁掛けタイプの施工もお勧めしています。

ーエントランスならー

エントランスでは、お出迎えやおもてなしの心を香りで表現することを心がけましょう。
エントランスは、来訪者を意識した空間でもありますので、視覚と嗅覚の両方を活用した効果的な演出が重要です。
エントランスのインテリアやディスプレイと調和した香りを選択し、一体感のある空間を作り出しましょう。

「アーティスティックなオフィス」
カラフルな家具やユニークなデザイン、アート作品やグラフィックを飾っているような、アーティスティックな空間。クリエイティブな仕事を行う業種でよくお見かけします。
創造性や表現性を意識されているかと思いますので、香りも創造力を刺激するものを。シトラスやフルーティーな香り(例: オレンジ、ベリー)や、エキゾチックな香り(例:パチュリ、イランイラン)などで刺激的で活気ある雰囲気を演出するとよいでしょう。

「モダンなオフィス」
明るい色調でシンプルな家具やデザインを使用している空間。コンサルティングやITなどの業種でよくお見かけします。こういったシンプルなインテリアでまとめられた空間には、明るさと清潔感を感じさせる、シトラス系の香り(例:レモン、グレープフルーツ)やフレッシュなグリーンノート(例:ミント、ユーカリ)で演出するとよいでしょう。

ー共有スペースならー

共有スペースでは、気分転換できる香りがベターです。
香りによる刺激で、スタッフの仕事モードへの切り替えにも効果を発揮します。

「リラックス・休憩スペース」
用途としては、ストレス解消やリフレッシュ、リラックスを目的としたスペースですので、ラベンダーやカモミールのようなリラックス効果のある香りが適しています。

「応接・来客スペース」
用途としては、来客やビジネスミーティングが行われるスペースですので、ベルガモットやローズウッドのような上品で落ち着いた香りが会話を後押ししてくれます。

3)香りを変えて季節感を演出する

毎日同じ人が通勤する場所だからこそ、香りを変えることで季節感を出したり、寒暖差に対して少しでも体が楽に感じる空間にできることも、オフィスにおけるアロマ空間デザインのメリットの一つです。
室内にいながらも、香りで四季を楽しむ遊びゴコロをオフィスに取り入れてみると、五感が豊かになるとともに、思いがけないアイディアが浮かぶ刺激になるかもしれません。

ー夏のアロマ空間デザインー

夏のような湿気を帯びる季節には、清涼感のある香りを選ぶことでクールダウン効果を狙うこともできます。
ミントの香りを嗅ぐだけでも、人は涼しさを感じます。

「体感温度が4℃下がる」
例えば、ペパーミントの香りを嗅ぐことで4℃も体感温度が下がるという実験結果が出ています。
(出典:「香りが感覚/使用感触の判断に及ぼす効果」(株)資生堂製品開発センター香料開発室 庄司 健 ※発表当時)フレグランスジャーナル社 AROMA RESEARCH No.23(2005)
クールビズという言葉は当たり前になりすぎてもう古いでしょうか。けれど単にエアコンの温度で実際の温度を下げるだけでなく、こういった香りの力も利用してみると、消臭効果も相まって、涼やかな香りで快適な空間にすることができます。

ー冬のアロマ空間デザインー

寒さを和らげるために温かみを感じる香りを選ぶとよいでしょう。
例えばスイートオレンジは温かみと明るさをもたらしますし、暖房との相性も良い香りです。

「寒暖差による不調がアロマで和らいだ」
尚、寒暖差による不調が和らいだアロマTOP3は、ラベンダー、スイートオレンジ、ゼラニウムで、その時アロマを使用した結果は、ラベンダーでは84%の方が「気持ちが楽になったように感じた」、62%の方が「症状が緩和されたように感じた」、スイートオレンジではそれぞれ59.6%、43.6%、ゼラニウムではそれぞれ56.0%、42.4%となっています。(出典:2022年AEAJ調べ、複数回答、n=778)

オフィス空間を香らせるには、香りを感じる場所を考慮した配置計画から、香りを導入することで得たい成果をはっきりとさせるといった、アロマ空間デザインの全体計画がとても大切です。

「精油を用いたオフィスにおけるQOL向上の実例」
ウェルネスコンサルティング株式会社が行ったアンケートでも、オフィスに香りを導入した感想として

・入室時に気分がいい
・切り替えのスイッチが入る
・謙虚な気持ちになる
・お客様へのおもてなしの心を強く意識するようになった。
・印象が変わった。オフィスのグレード感の演出にもつながっていると思う。
・気分転換になりフレッシュな気持ちで仕事へ取り組めます
・加齢臭がしなくなって帰ってきたときに気分が良い。
・本社に行くと、毎回深呼吸しています。気持ちが良い意味でリセットされる感覚です。

といったものが聞かれ、こちらは、「アロマによる空間価値向上の実例~精油を用いたオフィスにおけるQOL向上の実例~」として、2014年9月21日の早稲田大学における「現代QOL学会第2回学術大会」においても紹介させていただきました。

毎日長い時間を過ごすオフィス空間だからこそ、社員のモチベーションアップ、快適さアップが実現できる香り空間を是非取り入れてみましょう。

本記事の監修者

ウェルネスコンサルティング株式会社
代表取締役 葵 智恵子

葵 智恵子
葵 智恵子 保有資格

ホテル、車ショールーム、クリニックをはじめ全国200ヶ所以上で香り空間デザインを実施

アロマの資格として、英国IFA認定国際アロマセラピストという、英国では看護師と同等の医療従事者として扱われる資格を取得。アロマ検定本『アロマ物語』監修。

アロマ空間デザイナー養成のためのアロマ空間デザインスクールを経営しており、全国から法人・個人の受講者が集まっている。

【保有資格】

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