名前 | カモミールローマン |
学名 | Chamaemelum nobile |
科名 | キク科 |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
香り | ハーブらしい、甘い、フルーティーな香り |
主な成分 | エステル類(アンゼリカ酸イソブチル30~45%/アンゼリカ酸イソアミル15~20%/アンゼリカ酸メチルアリル5~10%)、 ケトン類(ピノカルボン)、 モノテルペン炭化水素類など |
カモミールローマンの歴史とエピソード
花言葉は「逆境に負けない強さ」です。カモミールローマンは匍匐性の植物で、踏みつけられても負けないで育つ植物=「逆境に負けない」植物として知られています。踏めば踏むほど育つというカモミールの生命力を感じさせます。
「カモミール」という名前は、語源は地面を意味するchamai(カマイ)と、りんごを意味するmelon(メロン)を組み合わせて「大地のリンゴ」を意味する「カマイメロン」と呼んだことに由来すると言われています。主な成分であるアンゲリカ酸エステル類が、青リンゴを思わせる甘くてフルーティーな香りを作り出しています。
ヨーロッパなどで古くからカモミールを含む植物を薬草として広く利用していました。特に、カモミールの精油は、古代の医師たちによって優れた炎症や消化器系のトラブルの治療法として使用されてきました。
カモミールローマン(Chamaemelum nobile)は、古代から薬草として広く利用されてきた植物で、その歴史は紀元前まで遡ります。カモミールは、エジプト、ギリシャ、ローマなどの古代文明において、特にその癒しの力が重宝されていました。
古代エジプトでは、カモミールは太陽神ラーに捧げられる神聖な植物とされており、特に熱を下げる効果があると信じられていました。エジプト人はカモミールを病気の治療や美容に使用し、王族や貴族のためのスキンケアにも利用していました。また、ミイラの防腐処理にも使われていたという記録があります。
古代ギリシャでも、カモミールは医療において重要な植物とされ、ヒポクラテスやディオスコリデスといった著名な医師たちがカモミールを消化不良や神経の緊張を和らげるために処方していました。ギリシャ語で「地面のリンゴ」を意味するカモミールの名は、その甘くフルーティーな香りに由来しています。
ローマ帝国時代には、カモミールは広く栽培され、特に胃腸のトラブルや発熱の治療に使用されました。また、カモミールは戦士たちの傷を癒すための軟膏としても利用され、彼らの戦闘後の回復を助けたとされています。カモミールが「ローマン」と呼ばれるようになったのは、この時代にローマの人々によって広く栽培されたことに由来します。
中世ヨーロッパにおいても、カモミールは広く薬用植物として利用され、風邪やインフルエンザの治療、消化促進、安眠のために使用されていました。特に修道院の庭園では、カモミールが重要な薬草として栽培され、修道士たちはこれを用いて様々な薬を作り出しました。カモミールの花はまた、ハーブティーとして飲まれ、そのリラックス効果から「眠れるハーブ」としても知られるようになりました。
カモミールはまた、魔除けや幸福をもたらすハーブとしても信じられており、家の周りに植えられたり、枕の中に入れられたりしていました。この伝統はヨーロッパ全土に広がり、今日でもその穏やかな癒しの効果は多くの人々に愛されています。
カモミールローマンの効果効能
心への効果
「逆境に負けない」植物として知られるカモミール・ローマンは、ストレスに負けないように応援してくれる作用があります。心的外傷(トラウマ)や神経過敏症などによる情緒不安に役立ちます。
カモミールローマン精油は、心に対して非常に穏やかで鎮静的な効果を持っています。その香りは、心を落ち着かせ、ストレスや不安を和らげるのに役立ちます。特に、緊張が高まったり、感情が不安定な時にカモミールローマンの香りを嗅ぐことで、心を穏やかにし、平穏な気持ちを取り戻すことができます。
この精油は、睡眠を促進する効果でも広く知られています。カモミールローマンの香りは、心を静め、リラックスした状態に導くため、安眠をサポートします。夜間のリラックスタイムや就寝前に使用することで、質の高い睡眠を得るのに役立ちます。
さらに、カモミールローマン精油は、感情のバランスを整える効果も持っています。特に、感情的なストレスが原因で心が乱れている時に、この香りは精神的な安定をもたらし、ポジティブな感情を取り戻すのに効果的です。
- 鎮静作用(精神的な興奮や不安、緊張を和らげ、身体や精神の状態をリラックスさせる作用)
- 抗不安作用
- 感情安定作用
- 睡眠促進作用
- ストレス軽減作用
身体への効果
カモミール・ローマンのテーマは鎮痙と鎮静です。主に生殖器と神経・筋肉、消化器に働きます。月経時のトラブルに役立ちますが、直接ホルモンの働きによってトラブルを緩和するというのではなく、締まった筋肉を緩め、高ぶった神経を鎮静することで結果として役立ちます。この働きは生殖器に限らず、消化器や筋肉、神経系にも同じように働きます。
精神的なことに起因する消化管のトラブルにも役立ちます。
保湿作用が高いので、スキンケアにも適しています。
- 鎮痙作用(筋肉の緊張や痙攣を和らげる作用)
- 鎮痛作用(痛みを和らげる作用)
- 皮膚軟化作用(皮膚を柔らかくし、滑らかにする作用)
- 保湿作用(皮膚の水分バランスを維持し、乾燥や荒れを防ぐ作用)
- 鎮静作用(皮膚の炎症を静める作用)
環境への効果
この精油は、リラックス効果が高いとされ、ストレスや不安を和らげる効果があると言われています。また、穏やかな睡眠を促す効果もあり、不眠の改善に役立つことが期待できます。ローマンカモミールは心地よく穏やかな香りで、心を落ち着かせる作用があるため、リラクゼーションや瞑想の時間にも適しています。さらに、全体的なウェルビーイング感の向上にも貢献すると考えられています。
リラックス効果に加えて、心を落ち着かせることで集中力の向上にも役立ちます。特に、勉強や仕事、瞑想の時間など、集中を要する場面での使用がお勧めです。
- 芳香効果(人々の感情や身体的な状態に与える作用)
カモミールローマンがおすすめな空間・店舗
スパ施設
リラックス効果の高い香りが、スパトリートメントの体験を豊かにします。また、心身のリラクゼーションに効果的な成分が含まれ、施設を訪れるゲストに穏やかな癒しを提供します。
介護施設
カモミールローマンの穏やかな香りは、介護施設において住民に安心感を与え、リラックスさせるのに役立ちます。特に夜間や就寝前にこの香りを漂わせることで、入居者がリラックスし、安眠を促進する効果が期待できます。また、デイケアのリラクゼーション時間や、休息のための時間に香りを取り入れることで、心身のストレスを和らげ、穏やかな時間を提供することができます。
介護施設では、入居者が感情的なストレスを感じることが多々あります。カモミールローマン精油の香りは、感情を安定させ、ストレスを軽減する効果があるため、入居者の心の平穏を保つのに役立ちます。香りを空間に広げることで、施設全体に穏やかな雰囲気を作り出し、入居者が落ち着いて過ごせる環境を提供できます。
カモミールローマン精油は、非常にマイルドで肌に優しい成分を含んでいるため、敏感な肌や呼吸器系に配慮が必要な高齢者に対しても安心して使用できます。特にスキンケアやアロママッサージに使用する際に、皮膚トラブルのリスクを抑えつつ、リラクゼーション効果を提供することが可能です。
ショールーム
カモミールローマン精油の甘くフローラルな香りは、ショールームにも非常に適しています。特に、家具やインテリアのショールームでは、カモミールの香りが空間に落ち着きと高級感を与え、訪れる顧客に特別な体験を提供します。リラクゼーション効果が高いカモミールローマンの香りは、顧客がリラックスしながら商品を鑑賞できる環境を作り出し、購買意欲を高める効果があります。
カモミールローマンがブレンドされたオイル
国際アロマセラピスト資格を持ったアロマのプロが選定したエッセンシャルオイルを、ぜひ空間デザインにご活用ください。