
名前 | レモン |
学名 | Citrus limon |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 圧搾法 |
香り | フレッシュで鋭い柑橘系の香り |
主な成分 | リモネン/βーピネン/γーテルピネン |
レモンの歴史とエピソード
コロンブスが新大陸を発見できたのはレモンのおかげといわれています。
長い間ビタミンCを摂取していないと壊血病になり、血管から血液が滲み出てひどいときには死に至ります。長期航海が可能になったのは、船に腐りづらいレモンをたくさん載せたからです。
精油1Kgを採取するのに、約3,000個のレモンが必要です。熟した実より緑色をした未熟な実のほうが精油はよく取れます。
レモンは食材としてだけではなく、民間医薬のような形でインドやヨーロッパで使われていた歴史もあります。エッセンシャルオイル(精油)もまた消毒効果があると考えられ、マラリアやチフスなどの熱病・感染症予防に使用されました。
レモン(Citrus limon)は、その爽やかな香りと豊富なビタミンCの含有量で古代から現代に至るまで広く愛用されています。レモンの歴史は地中海地方に遡りますが、その正確な起源はインドのヒマラヤ地域や中国南部にあると考えられています。
レモンがヨーロッパに伝わったのは、紀元前1世紀頃のローマ帝国時代とされています。レモンは当初、観賞用として栽培され、貴族の庭園や王宮の装飾として使われていました。中世には、レモンが薬用植物としての価値を認識され始めました。特に、14世紀にヨーロッパを襲ったペスト(黒死病)の流行時、レモンは空気を清浄にするために焚かれたり、感染予防のために服用されたりしました。
レモンの栽培と利用が本格化したのは、15世紀の大航海時代です。スペインやポルトガルの探検家たちは、長い航海中に壊血病を防ぐためにレモンを持ち歩きました。ビタミンCが豊富なレモンは、壊血病の予防に非常に効果的であることが分かり、レモンは貴重な医薬品として扱われました。この時期から、レモンはヨーロッパ各地で広く栽培されるようになりました。
18世紀に入ると、イギリス海軍はレモンジュースを標準的な船員の食糧に加え、壊血病予防に役立てました。これが功を奏し、壊血病による死亡率が劇的に低下しました。その後、レモンはヨーロッパやアメリカで商業的に栽培されるようになり、食材や薬用植物としての価値が広く認知されるようになりました。
現代において、レモン精油はアロマテラピーや自然療法で広く使用されています。レモンの爽やかな香りは、リフレッシュ効果や集中力を高める効果があり、精神的な疲労を和らげるために用いられます。また、レモン精油は強力な抗菌作用を持ち、清潔な環境を保つための消毒剤としても利用されています。さらに、レモンの香りは食品や飲料、化粧品に香りを付けるための香料としても広く使用されています。
レモンの効果効能
心への効果

レモン精油の主成分は柑橘系精油でお馴染みのリモネンで、鎮静・緩和作用によってリラックス効果が期待されている成分です。フレッシュな香りで心身を活性化してくれます。心を落ち着かせ、新たな気持ちになりますのでリフレッシュしたいときにおすすめです。
また頭脳明晰効果があるので集中したいときや仕事時はやる気を高めたい際にも役立ちます。
- 鎮静作用(精神的な興奮や不安、緊張を和らげ、身体や精神の状態をリラックスさせる作用)
- リフレッシュ作用(ストレスや疲れを取り除き、心身をリセットしてリラックスし、新たなエネルギーや活力を取り戻す作用)
- リラクゼーション作用
- 精神安定作用
身体への効果

レモン精油の主成分であるリモネンは、消化吸収促進や胃粘膜保護など消化器系のサポートに対する有用性が示唆されている成分でもあります。食べ過ぎが原因の肥満、胃痛、ドロドロな血液など、それによる糖尿病や通風、結石、動脈硬化、高血圧といった生活習慣病は増加しており、レモンの精油はそういった症状の予防と改善に役立ちます。
リモネンやピネン、テルピネンなどレモンに多く含まれている精油成分は、抗菌・抗ウィルス作用が期待されています。また抗炎症作用を持つ可能性も報告されています。
- 殺菌・消毒作用(微生物を殺すか、またはその成長を抑制し、数を減らす作用)
- 消化促進作用(消消化促進作用(消化器官の機能を活性化し、食べ物を効率的に消化・吸収するための作用)
- 制酸作用(消化器系で胃酸の分泌を抑制し、胃内の酸度を低下させる)
- 健胃作用(胃の健康を促進する作用)
- 抗菌・抗ウイルス作用(ウイルスの増殖を抑制したり、感染を防いだりする作用)
- 抗血栓作用・強心作用(血液の流動性を高め、心臓の収縮力や拍動を強化する作用)
- 収斂作用(余分な皮脂を抑制する作用)
- 軟化作用(死んだ皮膚細胞を取り払って肌を整える・肌を柔らかっくする作用)
- 止痒作用(皮膚のかゆみを止める作用)
環境への効果

レモン精油はその爽やかな香りや殺菌作用、そして一部の昆虫に対する忌避作用から、防虫目的で使われることがあります。蚊やその他の昆虫を寄せ付けない効果があるとされます。
虫刺されの痒みや炎症を軽減するのに役立つことが知られています。
レモン精油を空間に香らせると、多くの効果が得られます。まず、そのフレッシュで爽やかな香りは、空間全体をリフレッシュした雰囲気に包み込みます。この香りは、ストレスを和らげ、心を軽やかにするのに役立ちます。リビングルームやキッチンでの使用に最適です。
また、レモン精油は、空気を清浄にする効果もあります。強力な抗菌作用があるため、空間に漂わせると空気中の菌やウイルスを抑制し、健康的な環境を保つことができます。特に風邪やインフルエンザが流行する季節には、予防策として有効です。
さらに、レモンの香りは、集中力を高める効果もあります。仕事場や勉強スペースに香らせると、注意力が向上し、作業効率が上がります。シャープでクリアな香りが脳を刺激し、リフレッシュしながらも集中できる環境を提供します。
また、レモン精油は、心地よい清潔感を提供し、空間全体を明るく軽やかにする効果も持っています。家庭や職場での使用が効果的で、全体的に活気づいた空間を作り出すのに役立ちます。
- デオドランド作用(防臭や消臭効果)
- 防虫作用(昆虫や他の害虫を寄せ付けず、あるいは排除する作用)
レモンがおすすめの空間・店舗

クリニック
抗菌・抗ウィルス作用があるので、空気を清潔にしたい空間に最適です。
レモン精油の爽やかで清潔感のある香りは、クリニックの空間に非常に適しています。クリニックでは、患者に安心感とリラックスを提供することが重要です。レモン精油の香りは、空気を清浄にし、清潔感を強調するだけでなく、訪れる患者にリフレッシュ感を与え、緊張感を和らげる効果があります。
特に待合室や診察室でレモンの香りを漂わせることで、患者はリラックスし、診察前の不安感を軽減することができます。さらに、レモン精油の抗菌作用が、空気中の菌やウイルスを抑制し、クリニック全体を清潔に保つのに役立ちます。ディフューザーを使って香りを拡散させることで、患者が安心して過ごせる快適な空間を提供し、クリニックのイメージ向上にもつながります。
オフィス
頭脳明晰効果のある精油なので、集中力を高めて作業効率をアップする助けとなります。
レモン精油のフレッシュでクリアな香りは、オフィス環境にも非常に効果的です。仕事中の集中力を高めるためには、オフィスの空間を清潔でリフレッシュした雰囲気に保つことが重要です。レモンの香りは、仕事に集中するためのシャープな刺激を与え、職場全体に活力をもたらします。
特に、オフィスの会議室やデスク周りにレモンの香りを取り入れることで、従業員の集中力と生産性が向上します。さらに、レモン精油は気分を明るくし、ポジティブな感情を促進する効果もあるため、職場全体の士気を高めるのに役立ちます。ディフューザーを使用してオフィス全体に香りを広げることで、従業員がリフレッシュしながらも集中できる、快適で効率的な職場環境を作り出すことができます。
フィットネスジム
デオドラント効果、消臭効果がありますので、運動するエリアや、更衣室でもよく使われます。
レモン精油の爽快な香りは、フィットネスジムにも非常に適しています。ジムでは、エネルギーを高め、運動に集中するための環境が求められます。レモンの香りは、運動中に活力を与え、疲労感を軽減する効果があります。
フィットネスジムのトレーニングエリアやストレッチエリアでレモン精油を使用することで、利用者のモチベーションを高め、運動後のリフレッシュ感を提供することができます。さらに、レモンの香りは、ジム内の空気を清潔に保つ効果もあり、多くの人が利用するジムにおいて、衛生的な環境を維持するのに役立ちます。ディフューザーを使って香りを広げることで、利用者が快適にトレーニングできる空間を提供し、ジムの利用満足度を高めることができます。
レモンがブレンドされたオイル
国際アロマセラピスト資格を持ったアロマのプロが選定したエッセンシャルオイルを、ぜひ空間デザインにご活用ください。
本記事の監修者
ウェルネスコンサルティング株式会社
代表取締役 葵 智恵子


ホテル、車ショールーム、クリニックをはじめ全国200ヶ所以上で香り空間デザインを実施。
アロマの資格として、英国IFA認定国際アロマセラピストという、英国では看護師と同等の医療従事者として扱われる資格を取得。アロマ検定本『アロマ物語』監修。
アロマ空間デザイナー養成のためのアロマ空間デザインスクールを経営しており、全国から法人・個人の受講者が集まっている。
【保有資格】
- 英国IFA(国際アロマセラピスト連盟)認定 国際アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター
- 日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
- フランス調香師学校Grasse Institute of Perfumery Natural Fragrances Stage修了 Diploma取得