
名前 | 真正ラベンダー、トゥルーラベンダー |
学名 | Lavandula angustifolia |
科名 | シソ科 |
抽出部位 | 花、葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
香り | ハーブ系 上品な華やぎのあるフローラルで爽やかな甘い香り |
主な成分 | モノテルペンアルコール類/エステル類 |
ラベンダーの歴史やエピソード
ラベンダーは、古代ローマ時代から既に知られており、当時の人々はラベンダーを入浴剤や香水として使用していました。ラベンダーという名前は、ラテン語の「lavare」(洗う)に由来するとされ、清潔さや浄化の象徴としても使用されていました。古代ローマの公衆浴場では、ラベンダーが水に加えられ、その芳香がリラクゼーション効果を高めると信じられていました。
中世ヨーロッパにおいても、ラベンダーは大変貴重なハーブとされ、魔除けや治療薬として広く利用されていました。特に、ペストの流行時には、ラベンダーの香りが空気を清浄にし、病気を防ぐ効果があると信じられ、多くの家庭で使用されていました。ラベンダーの束を家の周りに吊るしたり、ポプリとして部屋に置いたりすることで、病気から身を守る風習もありました。
また、ラベンダーは、ヨーロッパの修道院で栽培されていた植物の一つであり、修道士たちはその薬効を活用して、怪我や病気の治療に役立てていました。ラベンダーオイルは傷の消毒や炎症の緩和に使用され、ハーブ医学の一部として非常に重要な位置を占めていました。
19世紀になると、フランス南部のプロヴァンス地方でラベンダー栽培が盛んになり、この地域は真正ラベンダーの主要な産地となりました。プロヴァンスのラベンダー畑は、その美しさと香りで世界的に有名になり、多くの人々がラベンダーの収穫時期にこの地域を訪れるようになりました。

参考までに、ラベンダーには様々な種類があります。それらもこちらで簡単に紹介します。
ラベンダースピカ(Lavandula latifolia)は、真正ラベンダーよりもややシャープで清涼感のある香りを持ちます。このラベンダーは、カンファー(樟脳)の含有量が高く、抗菌作用や抗炎症作用が強いのが特徴です。そのため、切り傷ややけどの応急処置に使われることが多く、また、集中力を高める効果も期待されます。香りの違いから、より刺激的でエネルギッシュな用途に適しています。
ラベンダーストエカス(Lavandula stoechas)は、スペインラベンダーとも呼ばれ、独特の強いカンファーのような香りが特徴です。この種は、真正ラベンダーやスピカとは異なり、癒しというよりは、抗菌・防虫の目的で使用されることが多いです。ラベンダーストエカスは、南ヨーロッパや地中海沿岸で自生しており、その香りと効果から、呼吸器系のトラブルを和らげるのにも適しています。
ラベンダースーパー(Lavandula intermedia)は、真正ラベンダーとラベンダースピカの交配種で、両者の特性を兼ね備えたハイブリッド種です。このラベンダーは、真正ラベンダーのリラクゼーション効果とスピカの抗菌作用を持ち、より幅広い用途で使用できます。香りは真正ラベンダーよりも少し強く、また、成長が早くて収穫量が多いため、商業的に広く栽培されています。
真正ラベンダーの効果効能
心への効果

ラベンダー精油に含まれる成分には、副交感神経を優位にすることで高いリラックス効果があり、「鎮痛作用」「誘眠作用」「抗うつ作用」が期待できます。
ラベンダーの香りを用いた睡眠は、香りのない場合よりも深い眠りの時間が長くなるという実験結果もあり、医療機関や介護施設でも使われています。
寝つきの悪い方や、気分が落ち込みやすい方は、生活にラベンダーを積極的に取り入れることがおすすめです。
- 鎮静作用(神経や身体を落ち着かせる作用)
- 誘眠作用(睡眠を誘発させる作用)
- 抗うつ作用(鬱状態の落ち込んだ気分を高揚させて、気分を明るくさせる作用)
身体への効果

ラベンダーの主成分である「酢酸リナリル」や「リナロール」には、抗炎症や殺菌、鎮痛・鎮静などの効果が認められています。
ラベンダー精油は、肌のターンオーバーを活性化させたり、皮膚組織の再生やコラーゲンの生成を促す作用があります。皮膚を再生させたり、炎症を和らげるなど、お肌のトラブルや頭痛や月経痛、胃痛などに効果が期待できます。
- 皮膚組織再生作用(皮膚の細胞組織を再生する作用)
- 抗炎症作用(炎症を抑制する作用)
- 鎮痛作用(一時的に局所的な痛みを和らげる作用)
- 鎮痙作用(痙攣を抑制する作用)
- 筋肉弛緩作用(筋肉の緊張をゆるめる作用)
- 血圧降下作用(正常よりも高い血圧を下げる作用)
環境への効果

ラベンダーの精油には、白癬菌やクロカビ、ユーロチウムなどのカビへの抗菌作用があります。また、防虫対策にも役立つため、さまざまな環境で効果的です。
ラベンダーの精油を部屋内に拡散させれば、感染症対策に繋がるため、人が出入りするお店やオフィスで効果を発揮します。
- 抗真菌作用(真菌の増殖を阻害する作用)
- 抗菌作用(細菌による感染を抑制する作用)
- 殺菌作用(細菌を殺す作用)
真正ラベンダーがおすすめの空間・店舗

クリニック
空気洗浄効果がありますので、空気を清潔にしたい空間に最適です。
婦人科でも人気の香りです。
整骨院・整体・制術をする店舗、インターネットカフェ、スパ
リラックス効果、睡眠を促進する効果があるため、ゆっくりお休みされたい空間に向いています。
副交感神経を優位にし、不眠で悩むケースでも優れた効果を発揮します。
パウダールーム
抗菌作用や消臭効果がありますので、ホテルや百貨店など商業施設のお手洗いでもよく使われます。
ラベンダーを活用した事例
AOI’S AROMAのラベンダーを活用した事例をご紹介します。詳しい事例に関しては、「お客様の声」で紹介しています。
こまもの玖様(和装小物セレクトショップ)

上品な色目の和装小物がずらりと並んだ、目にも美しい空間。お客様にゆっくり過ごしていただきたいということから、リラックス効果のあるブレンドにて演出しています。「和装の小物にこだわるのは、お着物上級者ですので、よいものをご存じの方々をお迎えする空間作りをこだわっております。柔らかな自然光の入る空間に合った香りを選んでいただきました。優しい天然アロマ香る空間でゆっくりお買い物していただけます。」というご意見をいただきました。
婦人科クリニック様(大阪)

待合室にて。来院の不安や緊張を和らげること、空気環境の改善や院内感染予防を目的としています。待ち時間にリラックスしていただけるような香りにしています
ラベンダーがブレンドされたオイル
国際アロマセラピスト資格を持ったアロマのプロが選定したエッセンシャルオイルを、ぜひ空間デザインにご活用ください。