春先や秋口になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどに悩まされる花粉症が発症する人も多いのではないでしょうか。症状が続くと集中力が落ちたり、夜ぐっすり眠れなかったりと、日常生活にも影響が出やすくなります。
花粉症対策というと医薬品を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、近年は日常のセルフケアとして「アロマ(精油)」を取り入れる方も増えています。アロマは花粉症そのものを治すものではありませんが、香りによって空間を心地よく整えたり、気分をリフレッシュしたりする目的で活用されています。
この記事では、花粉症の時期におすすめなアロマの種類や、おすすめの取り入れ方、使用時の注意点まで詳しく解説します。
この記事では、咳が出やすくなる原因から、咳や喘息が気になる時におすすめなアロマの特徴、活用方法、注意事項までわかりやすく解説します。
本記事の監修者
ウェルネスコンサルティング株式会社
代表取締役 葵 智恵子


ホテル、車ショールーム、クリニックをはじめ全国200ヶ所以上で香り空間デザインを実施。
アロマの資格として、英国IFA認定国際アロマセラピストという、英国では看護師と同等の医療従事者として扱われる資格を取得。アロマ検定本『アロマ物語』監修。
アロマ空間デザイナー養成のためのアロマ空間デザインスクールを経営しており、全国から法人・個人の受講者が集まっている。
【保有資格】
- 英国IFA(国際アロマセラピスト連盟)認定 国際アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター
- 日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
- フランス調香師学校Grasse Institute of Perfumery Natural Fragrances Stage修了 Diploma取得
花粉症のピークと主な症状

一般的に花粉症のピークは2月~4月のイメージがありますが、意外と量も種類も多いのが5月です。
春の花粉症の原因は、スギ花粉を筆頭に、ヒノキ、ハンノキ、シラカバなどの樹木の花粉とイネ科の花粉があります。これら樹木の花粉は、風にのって長いと数百kmも飛散するのが特徴です。そのため、スギやヒノキが少ない都市部でも大量の花粉が舞うのです。
花粉が多くなると、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった鼻炎症状、目のかゆみ、喉の違和感、皮膚のかゆみ、だるさや眠気など、さまざまな不快感があらわれます。症状が続くことで集中力が低下したり、睡眠の質が下がったりと、日常生活に影響が出ることも少なくありません。
花粉症シーズンにアロマが取り入れられる理由

こうした季節特有の不快感に対し、セルフケアのひとつとして注目されているのがアロマです。
アロマは花粉症を治療するものではありませんが、香りによって空間を心地よく整えたり、気分をリフレッシュさせたりする目的で活用されています。
花粉症の時期は、身体的な不快感だけでなく、イライラやストレスも感じやすくなります。香りは嗅覚を通じて脳に伝わり、気分転換やリラックスタイムのサポートとして役立つといわれています。
そのため、花粉症シーズンを少しでも快適に過ごすための環境づくりとして、アロマを取り入れる人が増えています。
【症状別】おすすめのアロマ
症状別におすすめのアロマとその使い方を紹介します。

鼻炎症状や喉の痛みにおすすめのアロマ
花粉症の季節は、鼻のムズムズ感や喉のイガイガ感など、さまざまな不快感が気になりやすくなります。
こうした時期には、すっきりとした香りや、やさしく穏やかな香りを空間に取り入れるのがおすすめです。
- ユーカリ
クリアでシャープな香りが特徴です。空間をすっきりと整えたいときに好まれています。重たい空気をリフレッシュしたい場面に適しています。 - ラベンダー
穏やかでやさしいフローラル調の香りです。季節の不快感で緊張しがちな気分を落ち着けたいときに取り入れられています。 - ティーツリー
清潔感のあるさっぱりとした香りです。空間をクリーンな印象に整えたいときに選ばれることが多い精油です。 - ペパーミント
爽快感のある香りで、気分を切り替えたいときに向いています。朝のリフレッシュタイムや外出前にも取り入れやすい精油です。
目のかゆみにおすすめのアロマ
目のかゆみや疲れ、ドライアイ等の症状を和らげる効果が期待できます。
目のかゆみや疲れが気になるときは、直接塗布するのではなく、ディフューザーなどで香りを広げる方法がおすすめです。精油を目の周りに使用することは避けましょう。
- ラベンダー
くしゃみや目の痒みを和らげる効果が期待できます。やさしく落ち着いた香りで、リラックスタイムに適しています。 - ローマン・カモミール
かゆみや炎症を和らげるのに役立ちます。また、穏やかな香りでリラックスタイムに適しています。
皮膚トラブルにおすすめのアロマ
花粉症の時期は、鼻をかむ回数が増えたり、空気の乾燥が重なったりすることで、肌がデリケートになりやすい傾向があります。
通常、精油は呼吸を通して血液循環の中に取り入れられますが、皮膚へも浸透します。
オイルトリートメントに用いた精油は皮膚の真皮層に浸透し、体内を循環することがわかっています。ハンドクリームやボディミルク、キャリアオイルにオイルを数滴混ぜてマッサージするのが良いでしょう。
- ラベンダー
幅広いシーンで使いやすい、穏やかな香りが特徴です。かゆみや赤みを和らげる効果が期待できます。スキンケアタイムのリラックスにも向いています。 - ローマン・カモミール
やさしいハーブ調の香りが特徴です。デリケートな時期のスキンケアに取り入れられることが多い精油です。 - フランキンセンス
落ち着きのある深みのある香りの精油です。乾燥が気になる季節のスキンケアタイムに、香りを楽しむ目的で使用されています。
だるさや眠気などの随伴症状におすすめのアロマ
花粉症の時期は、鼻づまりや睡眠の質の低下などが影響し、だるさや日中の眠気を感じやすくなることがあります。
こうしたタイミングには、すっきりとした香りや明るい印象の香りを取り入れ、気分を切り替える時間をつくる方法がおすすめです。
アロマは症状そのものを改善するものではありませんが、香りによって気分をリフレッシュし、前向きな気持ちをサポートする目的で活用されています。
- ペパーミント
爽快感のあるシャープな香りが特徴です。朝の目覚めの時間や、気分を切り替えたいときに取り入れられています。空間をすっきりとした印象に整えたいときにも適しています。 - ローズマリー
クリアでハーブ調の香り。仕事や勉強の前など、気持ちを整えたい場面で選ばれることが多い精油です。 - レモン
明るく爽やかな香りが広がり、空間を軽やかな印象にしてくれます。気分転換をしたいときや、午後のリフレッシュタイムにも取り入れやすい香りです。
花粉症のケアにおすすめのアロマの取り入れ方
花粉症の時期に症状のケアやリラックスにおすすめのアロマの取り入れ方を紹介します。
ディフューザーで芳香浴

もっとも手軽なのが、ディフューザーを使った芳香浴です。リビングや寝室に香りを広げることで、心地よい空間づくりができます。帰宅後や就寝前など、リラックスしたい時間帯におすすめです。
マスクスプレーとして活用

無水エタノールと精製水に精油を少量加えて作るマスクスプレーもおすすめです。外出時の気分転換として使えます。精油は入れすぎず、マスクの外側に軽くスプレーするようにしましょう。
また、コットンにオイルを染み込ませ、マスクの内側に入れる方法でも代用できます。
ティッシュやアロマストーンに垂らす

外出先では、ティッシュに1滴垂らして近くに置くだけでも香りを楽しめます。電源不要のアロマストーンも手軽にアロマを楽しむ方法として便利です。
お湯入りボウルに垂らす

洗面器にお湯を張り、精油を1滴垂らして蒸気とともに香りを楽しむ方法もあります。手軽にアロマを楽しむ方法の一つでしょう。
アロマの選び方

アロマオイルとひと口にいっても種類はさまざまで、植物由来の精油だけでなく、キャリアオイルで希釈されたものや合成香料を含む製品も流通しています。見た目や香りだけでは違いが分かりにくいため、購入時には表示内容をしっかり確認することが大切です。
「植物から抽出された100%の精油」を選ぶ際には、次の点をチェックすると判断しやすくなります。
- 光による劣化を防ぐため、遮光性のあるボトルに入っているか
- ラベルに植物の学名(ラテン名)が明記されているか
- 抽出に使用した部位や抽出方法が具体的に記載されているか
- 商品名や表示に「精油」または「エッセンシャルオイル」と明示されているか
こうした情報が明確に記載されている製品は、原料や製造背景が分かりやすく、品質を見極めるうえでの参考になります。
アロマを使用する際の注意点

アロマを使用する際にはいくつか注意点があります。以下で詳しく紹介します。
原液を直接肌に塗布しない
精油は植物の芳香成分が凝縮された高濃度のオイルです。そのため、原液をそのまま肌に塗布すると刺激を感じる場合があります。特に花粉症の時期は、鼻をかみすぎて肌が乾燥していたり、赤みが出ていたりと敏感な状態になりやすいため注意が必要です。
肌に使用する場合は、必ずキャリアオイル(植物油)や無香料のクリームなどで十分に希釈してから使いましょう。初めて使用する精油は、低濃度から試すことが安心です。
目や粘膜への使用は避ける
目のかゆみが気になるからといって、精油を目の周りや粘膜に直接使用することは避けましょう。強い刺激になる可能性があります。
目の不快感に対して香りを取り入れたい場合は、ディフューザーで空間に広げる、ティッシュやアロマストーンに1滴垂らして近くに置くなど、間接的な方法がおすすめです。安全性を優先し、直接触れない形で楽しむことが大切です。
使用前にパッチテストを行う
精油を肌に使用する前には、パッチテストを行いましょう。希釈したオイルを腕の内側など目立たない部分に少量塗布し、24時間程度様子を見ます。
赤みやかゆみ、刺激などの違和感が出た場合は使用を控えてください。体調や季節によっても肌の状態は変化するため、以前問題がなかった精油でも改めて確認することが安心です。
体調や環境に配慮する
妊娠中・授乳中の方、持病がある方は、使用前に医師へ相談することが望ましいでしょう。また、小さなお子さまやペットがいる空間では、使用する精油の種類や濃度に十分配慮する必要があります。
芳香浴を行う場合も、換気をしながら使用し、長時間強い香りにさらされないよう心がけましょう。香りが強すぎると感じた場合は、すぐに使用量を減らすことが大切です。
まとめ
花粉症は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけでなく、だるさや眠気、集中力の低下など、日常生活にも影響を及ぼしやすい季節性の不調です。特に春先はスギやヒノキなどの花粉が広範囲に飛散し、多くの人が不快感を抱えやすい時期といえます。
アロマは花粉症そのものを治療するものではありませんが、香りを通じて空間を整えたり、気分をリフレッシュしたりするセルフケアの一つとして活用されています。症状や目的に合わせて香りを選び、ディフューザーやマスクスプレーなどで取り入れることで、シーズン中の暮らしを少し心地よくするサポートが期待できます。
花粉症シーズンを無理なく乗り切るために、医療的な対策とあわせて、自分に合った方法でアロマを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
