秋になると街角や庭先でふわりと「金木犀(キンモクセイ)」の甘くやさしい香りが漂ってきます。日本人にとっては馴染み深い花木であり、その香りを感じると「秋の訪れ」を実感する方も多いでしょう。
近年、この金木犀の香りがアロマや香水、ルームフレグランスとして注目を集めています。
この記事では、金木犀の香りの特徴や効果、アロマとしての使い方ついて詳しくご紹介します。
本記事の監修者
ウェルネスコンサルティング株式会社
代表取締役 葵 智恵子


ホテル、車ショールーム、クリニックをはじめ全国200ヶ所以上で香り空間デザインを実施。
アロマの資格として、英国IFA認定国際アロマセラピストという、英国では看護師と同等の医療従事者として扱われる資格を取得。アロマ検定本『アロマ物語』監修。
アロマ空間デザイナー養成のためのアロマ空間デザインスクールを経営しており、全国から法人・個人の受講者が集まっている。
【保有資格】
- 英国IFA(国際アロマセラピスト連盟)認定 国際アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマセラピスト
- (公社)AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター
- 日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
- フランス調香師学校Grasse Institute of Perfumery Natural Fragrances Stage修了 Diploma取得
金木犀とはどんな植物?

金木犀はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、学名は 「Osmanthus fragrans var. aurantiacus」といいます。そのため「オスマンサス」と言うこともあります。
中国南部を原産とし、日本には江戸時代に渡来したと言われています。
花はオレンジ色で、9月から10月にかけて開花し、甘く濃厚でありながらやさしい香りを放つのが特徴です。強すぎず、自然に広がるその香りは、秋の風物詩として親しまれています。
古くから中国では「桂花(けいか)」と呼ばれ、花をお茶やお酒に漬け込む文化があり、日本でも金木犀の香りは「懐かしい」「心が落ち着く」といった感情を呼び起こす存在となっています。
金木犀の精油はアブソリュート や CO₂抽出法で採れるため、精油の抽出量が極端に少なく、1kgの花から1g未満とかなり希少です。
金木犀の精油は、やや杏仁(アプリコット)やジャスミンにも似た独特なフローラルの香りです。天然ものはその希少さから高価で取引されており、流通量も限られています。
金木犀の香りの特徴

金木犀の香りは、柑橘系の爽やかさとフローラルの甘さを併せ持つ、独特で奥深い香りです。
- フルーティーな甘さ … アプリコットや桃を思わせる芳醇な甘み
- フローラルな優美さ … ジャスミンのように華やかでやわらかい花の香り
- ほのかなスパイシーさ … 香りの奥に感じる深みが心地よい
このような複雑な香りは、他の花にはあまり見られない特徴で、近年は「金木犀の香水」「金木犀のルームフレグランス」が人気を集める理由にもなっています。
金木犀のアロマとしての効果

金木犀の精油が持つ効果について紹介します。
1. リラックス効果
金木犀の香りを嗅ぐと、気持ちが落ち着き、深い安らぎを得られるといわれています。
金木犀の精油に含まれる「リナロール」という成分がリラックス効果を持っており、緊張した心や身体をほぐすとされています。
香り成分が脳に直接働きかけ、自律神経のバランスを整えてくれるため、副交感神経を優位に導き、緊張をやわらげる効果が期待できるでしょう。
2. 睡眠の質を高める
金木犀の甘くやわらかな香りは、就寝前のリラックスタイムに最適です。
枕元にディフューザーで香らせたり、ルームスプレーとして使ったりすることで、入眠しやすい環境を整えてくれます。
実際に「金木犀の香りを嗅ぐと眠りやすくなる」と感じる人は多く、快眠アイテムとして人気が高まっています。
3. 消臭・空気清浄効果
金木犀には、空気を浄化する働きがあるとされています。実際に中国では古くから、桂花を部屋に飾って香りを楽しむとともに、空気を清める役割を持たせてきました。
現代においても、ルームフレグランスとして利用することで、リラックス効果や消臭効果を期待でき、快適な住環境作りに役立ちます。
4. アンチエイジング
金木犀の香りには、抗酸化作用という体内の酸化を防ぐ効果があります。体内の酸化とは、いわゆる老化のことを指します。
人間が活動する中で酸素を取り入れると、同時に活性酸素が生み出され、細胞を傷つけてしまうため老化が進みますが、酸化が防がれることでアンチエイジングにもつながるため、日常的に取り入れるのがおすすめです。
5. 食欲抑制効果
金木犀の香りを嗅ぐことで、脳内の摂食中枢が反応し「オレキシン」などの食欲増進物質が抑えられます。同時に満腹中枢への働きが促進されるため、食欲が抑えられる効果があります。
このことは、以前ラットを使った実験で確認が取れていましたが、改めて学生を対象に金木犀の香りを嗅いだ場合とそうでない場合に分けて、お菓子を食べる量を比較する実験を行ったところ、金木犀の香りを嗅いだ場合の方が明らかに食事量が減っていました。この実験の結果からもその食欲抑制効果が証明されています。
実生活では、金木犀の香りを使用した芳香剤や化粧品などを使って、食事前の30分~1時間の間、自分あるいは周囲に香りがただよう状態を作ることで効果が期待できるでしょう。
金木犀アロマの使い方

金木犀の精油(アロマ)を使用する方法をいくつか紹介します。
アロマディフューザーで香らせる
最も手軽な方法は、アロマディフューザーを用いて部屋に金木犀の香りを広げる方法です。
就寝前や読書の時間など、リラックスしたいシーンに最適です。
アロマスプレーを手作りする
アロマスプレーは、無水エタノールに金木犀の精油を加え、スプレーボトルに入れてよく振ってから水を加えるだけで簡単に作ることができます。
枕やカーテンに吹きかけると、優しい香りに包まれて眠ることができるでしょう。
バスタイムに取り入れる
入浴時にアロマオイルを1~2滴加えると、全身で香りを感じながらリラックスできます。ただし精油を直接湯に入れるのは肌刺激の原因になるため、キャリアオイルやバスソルトに混ぜてから使用するのがおすすめです。
練り香水やハンドクリームで楽しむ
金木犀の香りを閉じ込めた練り香水やハンドクリームは、外出先でも気軽にアロマを楽しめるアイテムです。
香りを纏うことで、気持ちを落ち着け、ポジティブな気分を維持できます。
ただし、天然ものの金木犀のアロマは希少で高価格のため、安価かつ「金木犀の香り」と表記されているものは、ほぼ合成またはブレンド品です。
「Fragrance(香料)」や「Perfume」と表記されている商品は、合成香料が使用されている点に注意しましょう。
金木犀とのブレンドにおすすめのアロマ

金木犀の香りは単体でも魅力的ですが、他の精油と組み合わせることで、より奥行きのある香りを作り出せます。
おすすめのブレンドできるアロマを以下で紹介します。
- ラベンダー … 安眠効果を高める
- ベルガモット … 爽やかさを加え、気分をリフレッシュ
- サンダルウッド … 落ち着きと高級感をプラス
- ジャスミン … 甘さを強調し、華やかでエレガントな香りに
金木犀の香りに何かプラスしてみたくなったら、ぜひ試してみて下さい。
まとめ
金木犀の香りは、秋を象徴する香りであるだけでなく、リラックスやストレス軽減、安眠効果など、私たちの心と体をサポートしてくれる優れたアロマです。金木犀はそのアプリコットやジャスミンにも似た独特なフローラルの香りから近年さらに人気を集めています。
金木犀のアロマは、ディフューザーやスプレー、入浴など、日常に気軽に取り入れられる方法が数多くあります。ぜひ自分に合ったスタイルで金木犀の香りを楽しみ、心豊かな時間を過ごしてみてください。
