名前 | ライム |
学名 | Citrus aurantifolia |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 圧搾法、水蒸気蒸留法 |
香り | 少しビターでフルーティーなシトラスの香り |
主な成分 | モノテルペン炭化水素類 |
ライムの歴史やエピソード
ライム(学名:Citrus aurantiifolia、およびCitrus latifolia)は、ミカン科(Rutaceae)の果物であり、その歴史は非常に古く、地中海地域や中東、そしてインドがその起源とされています。
ライムの原産地はインド北東部からビルマヒマラヤにかけて、つまりインドのヒマラヤ地域からインドネシアにかけての地域がその発祥地であると考えられています。
ライムが西洋に知られるようになったのは13世紀頃に、アラビア商人や十字軍を通じてであり、これにより、ライムはヨーロッパに広まりました。中世ヨーロッパでは、ライムは食材としてだけでなく、薬用植物としても利用されていました。ライムジュースは、消化を助けると考えられ、また、ライムの果汁や皮は風邪や喉の痛みを和らげるために使用されました。
17世紀から18世紀にかけて、大航海時代が本格化すると、ライムは特にイギリス海軍にとって重要な果物となりました。当時、長い航海中に壊血病が船員の間で大きな問題となっており、その予防策としてライムが使われました。壊血病はビタミンCの欠乏が原因で発症する病気で、ライムはそのビタミンC含有量の高さから、壊血病予防に非常に効果的であることがわかりました。このため、イギリス海軍の船員は「ライミー(Limey)」という愛称で呼ばれるようになりました。
大航海時代にはビタミンC欠乏症である壊血病対策、治療に役立つと信じられ利用されました。
ライムは酸味が強いので生食には向きません。果汁をしぼってジュースとして利用したり、ジンジャーエールやコーラなどの飲み物に香りづけとして使用されています。
アメリカでは19世紀にフロリダでライムの栽培が盛んになり、フロリダキーライム(Key Lime)という品種が登場しました。このキーライムは、現在でもフロリダを代表する名産品であり、「キーライムパイ」というデザートの材料としても有名です。
また、ライムは世界各地でさまざまな文化や料理に取り入れられています。メキシコでは、ライムジュースはタコスやセビーチェなどの料理に欠かせない調味料として使用され、インドではチャイやカレーに風味を加えるために使われます。さらに、ライムはカクテルの材料としても広く知られており、特にモヒートやマルガリータなどの人気カクテルには欠かせない存在です。
ライムの効果効能
心への効果
ライム精油の主成分は「リモネン」で、鎮静・緩和作用によってリラックス効果が期待されている成分です。清涼感のある香りは、ストレスや疲労感を軽減するのに役立ちます。疲れた心や疲れた精神をリフレッシュし、活力を取り戻すのに効果的です。また心地よい気分をもたらし、心の緊張や不安を和らげるのに役立ちます。特に、ストレスの多い日常生活や緊張した状況で、リラックスを促すのに役立ちます。同時に、心を活性化させる効果もあります。気分を高揚させ、心を活発にし、ポジティブなエネルギーを与えることができます。集中力を高め、創造性を刺激するのにも役立ちます。
- 気分高揚作用(気分をさわやかにさせ、精神的に元気にする作用)
- リフレッシュ作用(ストレスや疲れを取り除き、心身をリセットしてリラックスし、新たなエネルギーや活力を取り戻す作用)
- 鎮静作用(精神的な興奮や不安、緊張を和らげ、身体や精神の状態をリラックスさせる作用)
- 頭脳明晰作用(集中力を高め、思考力や知的能力を高める作用)
身体への効果
ライム精油に多く含まれる成分であるリモネンは、消化吸収促進や胃粘膜保護など消化器系のサポートに対する有用性が示唆されている成分でもあり、胃腸の健康サポートに役立ちます。また皮脂を分解する性質があるため、脂性肌のスキンケアに役立ちます。
解熱作用、抗ウイルス作用があります。風邪などによる発熱や、鼻水、咳や喉の痛みなどの呼吸系の不調や、気管支炎などの疾患にも役立ちます。
- 殺菌・消毒作用(微生物を殺すか、またはその成長を抑制し、数を減らす作用)
- 消化促進作用(消化器官の機能を活性化し、食べ物を効率的に消化・吸収するための作用)
- 健胃作用(胃の健康を促進する作用)
- 抗ウイルス作用(ウイルスの増殖を抑制したり、感染を防いだりする作用)
- 解熱作用(異常に高くなった体温を下げる作用)
- 皮脂抑制作用(余分な皮脂を抑制する作用)
環境への効果
精油に含まれる成分「リモネン」が油によくなじむので、油汚れの多いキッチン周りやお部屋の拭き掃除に役立ちます。食器などにこびりついたシールを剥がすのにスプレーして暫く置くと綺麗に取れたり、油性ペンやクレヨンの落書きなどもきれいに落とせます。
抗菌作用から、雑菌からくるニオイ対策にも効果的です。消臭効果があることから、デオドラントケアに用いることができ、体臭の予防にも使用できます。
- デオドラント作用(防臭や消臭効果)
- 抗菌作用(微生物や細菌の成長を抑制し、それらを殺すまたは増殖を防ぐ作用)
- 油溶剤作用(油汚れや脂肪汚れを分解する作用)
ライムがおすすめの空間・店舗
オフィスなど共同作業スペース
その明るく元気な香りは、従業員の気分を高揚させ、集中力を向上するのに役立ちます。特に、クリエイティブなアイデアを生み出す必要があるデザインスタジオや広告代理店などの業界で有効です。また、ストレスの多い環境で働く人々にリラックス感を提供し、より生産的な仕事の雰囲気を作ります。
フィットネスジム、ヨガ、ピラティススタジオ
デオドラント作用や抗菌作用がありますので、汗のにおいが気になるロッカーや岩盤浴などの空間にもよく使われます。
トリートメントルームやリラクゼーションエリアでも、顧客にリフレッシュ感と心地よさを提供します。また、この香りは、マッサージやボディケアのセッション中に、心身の緊張を和らげる効果をもたらし、より深いリラクゼーション状態へと導きます。
レストランやカフェ
ライムの香りは、レストランやカフェの空間を一層魅力的にします。食事やコーヒーブレイクの際、この香りは食欲を刺激し、楽しい食事の雰囲気を演出します。特に健康志向やトレンドに敏感な顧客をターゲットにするレストランやカフェでの使用が適しています。また、ライムの香りは、新鮮さや清潔感を感じさせるため、特に朝食やブランチを提供するカフェにおすすめです。
ライムがブレンドされたオイル
国際アロマセラピスト資格を持ったアロマのプロが選定したエッセンシャルオイルを、ぜひ空間デザインにご活用ください。