新型コロナが落ち着き、インバウンドが増え、再び日本を訪れる外国人が増えたことや、海外に行く日本人が増えたことにより、トコジラミなどの害虫が世界中で発生し、被害が拡大しています。殺虫成分に耐性を持った個体もいることから、対策が難しくなっています。
今回はアロマを使用した対策をご紹介します。
エッセンシャルオイル(精油)がもつ「忌避効果」
植物の香り成分が濃縮されたのがエッセンシャルオイル(精油)です。植物は我々動物とは違い動くことができないため、良い香りを放ち、鳥や虫などを近寄らせ種を運んでもらったり、動物に食べられないために苦みや毒などの様々な成分を持っています。
そんなエッセンシャルオイル(精油)がもつ香り(アロマ)には、害虫に対しての「忌避効果」すなわち虫除け効果が期待できるものがあります。
エッセンシャルオイルには、殺虫剤のように虫を殺す働きはありませんが、蚊やゴキブリなどの昆虫は、特定のエッセンシャルオイルの香りを嫌います。こうした忌避効果のあるエッセンシャルオイルのアロマ(香り)を身にまとうと、昆虫は香りを嫌がり近寄らなくなるため、虫に刺されにくくすることができます。 公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ)が実施した実験結果では、レモングラスとシトロネラ、ユーカリ、ペパーミント、ゼラニウムなどに忌避作用があることが確認されています。
トコジラミが嫌うのは、オレガノの匂い、忌避率100%
公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ)によると、シソ科のオレガノ精油にはトコジラミを忌避する作用があることが明らかになっています。
濃度の異なるオレガノ精油のトコジラミ忌避作用を、 3時間後から24時間後までDEET(合成防虫剤)と比較した研究があります。いずれの濃度でも効果がありましたが、その持続性は濃度によって変わります。
9時間後の効果は濃度10%で65%、濃度40%ではDEETと同じ、忌避率100%の効果が得られました。
健康と虫除けスプレー
虫除けスプレーには、「DEET」(合成殺虫剤)が含まれています。DEETは第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が昆虫忌避剤として研究を始め、その後広範囲にわたる昆虫忌避製品の主要成分として使用されるようになりました。DEETはその高い効果と持続性から、野外活動や旅行時に非常に人気がありますが、長年にわたりその安全性について議論が続いています。一部の人々にとって皮膚刺激や過敏症、神経系への影響が懸念されることがあります。また、DEETを使用する際には、目や口の周りを避け、小さな子供やペットには直接塗布しないように注意する必要があります。カナダなど一部の国では安全性から小さな子供への使用が厳しく制限されています。
その点、アロマスプレーは自然由来なため、体に害があるばかりか様々な研究により心身の健康に役立つ作用が確認されているので、おすすめです。
虫除けアロマスプレーの作り方
忌避作用のある精油で作るアロマスプレーの作り方をご紹介します。携帯用にすれば外出先にも使え、トコジラミ予防に最適です。ご使用になる場合は、肌にスプレーがつかないようご注意ください。寝具に使用する場合は、スプレーした箇所が乾いてからお使いください。
<材料>(約50ml)
・精油 10~20滴(オレガノ精油、ユーカリ精油、シトロネラ精油、レモングラス精油、ゼラニウム精油がおすすめです。配分や精油はお好みの香りを選んでください。)
※合成香料ではなく、100%天然のものを使用しましょう。
・無水エタノール(アルコール) 5ml
・水 45ml
・スプレー容器 50〜60ml
※プラスチック製の容器は劣化してしまう恐れがあるため、アルコールに対応しているか確認するようにしてください。または、ガラス製のものが望ましいです。
<作り方>
手作りのスプレーで、旅行先でも快適に過ごしましょう。