精油辞典:ヒノキ

ヒノキ
名前ヒノキ
学名Chamaecyparis obtusa
科名ヒノキ科
抽出部位木・枝・葉
抽出方法水蒸気蒸留法
香りウッディーで温かみと清涼感があり、安定感を感じる和の香り
主な成分モノテルペン炭化水素類(α-ピネン)、セスキテルペンアルコール類、エステル類
目次

ヒノキの歴史

ヒノキはアジア地域に自生しており、古代からその木材が建築や家具などに広く利用されてきました。
日本では、古来よりヒノキが特別視され、その香りが癒しや浄化の効果があると信じられてきました。ヒノキの語源は、尊く最高のものを表す「日」をとって「日の木」を由来とする説と、古代において木をこすって火を起こすのに用いられたので「火の木」という意味だという説があります。

ヒノキは神聖な木として崇められ、神社や寺院の建築材料としても使用されてきました。また、ヒノキの香りは、日本の伝統的な建築や風呂にも取り入れられ、心身をリフレッシュさせるために利用されてきました。
ヒノキ精油は、伝統的な東洋医学やアーユルヴェーダなどの古代医学でも利用されてきました。特有の香気のあるヒノキチオールという成分を含み、呼吸器系の健康やストレス緩和、皮膚の健康などに役立つと考えられています。

心への効果

モノテルペン炭化水素類とセスキテルペンアルコール類の成分が同じくらい含まれており、鎮静効果と神経強壮効果があります。自立神経のバランスを整え、落ち着かない心を鎮めて前向きになることを後押ししてくれます。
またモノテルペン炭化水素類に含まれるα-ピネンは、森林浴をしているときに感じられるリフレッシュ効果とリラックス効果をもたらします。

期待効果
  • 気分高揚作用(気分を高め、希望や喜びをもたらす作用)
  • 鎮静作用(精神的な興奮や不安、緊張を和らげ、身体や精神の状態をリラックスさせる作用)
  • ストレス緩和作用(リラックスし心を落ち着かせることができる作用)
  • 集中力向上作用(集中力を高める作用)

身体への効果

成分に含まれる「α-ピネン」は血液やリンパ液の流れに働きかけます。血流改善・胃液の分泌を促すことで食欲を高めるなどの効果や、うっ滞除去に優れているので、冷え性やむくみの改善に効果的です。その他、殺菌・抗菌作用や、免疫向上作用を持つ可能性も報告されています。

期待効果
  • 抗炎症作用(炎症を抑制する作用)
  • 体液循環作用(リンパ系を刺激し、体液循環を活性化する作用)
  • 殺菌・抗ウイルス作用(細菌、真菌、あるいはウイルスの成長を阻害する作用)
  • 鎮痛作用(痛みを和らげる作用)

環境への効果

ヒノキの精油に含まれる「ヒノキチオール」には強い抗菌効果があります。ヒノキ風呂などはこの作用があるため腐りません。防虫効果もあり、ヒノキの精油を垂らすと虫が寄りつかないと言われています。
また空気中や表面の細菌の繁殖を抑制します。これにより、臭いの原因となる細菌の活動を減少させ、消臭効果を発揮します。

期待効果
  • 防虫・忌避作用(害虫や昆虫を寄せ付けない、排除する、害虫の発生を抑制する作用)
  • 抗菌作用(細菌の成長や増殖を抑制する作用)
  • 消臭作用(不快な臭いを取り除く作用)

おすすめの空間・店舗

ヒノキ精油の香りは、その落ち着きのある木の香りと多様な効能で、さまざまな空間に適しています。以下に、ヒノキ精油を使用するのに特にお勧めする空間や店舗のカテゴリーを4つ示します。

オフィス

ヒノキ精油の穏やかで清潔感のある香りは、オフィスやビジネススペースでの作業効率と集中力を高めます。α-ピネンとリモネンの成分は、空気の浄化に効果的で、リラックス効果も持ち合わせています。これにより、快適で集中しやすい作業環境を作り出すことができます。また、ヒノキの香りはストレスの緩和にも役立ち、仕事による疲れを和らげるのに効果的です。

書店・図書館

落ち着いた雰囲気が求められる書店や図書館で、ヒノキの精油を活用するのがおすすめです。精油の爽やかな香りは、集中力を高め、読書や勉強に適した環境を作り出します。また、ヒノキにはα-ピネンという成分が含まれており、この成分には脳の活性化効果があると言われています。知的活動に従事する場所としてヒノキの香りは最適です。

老舗旅館

日本を感じさせる老舗旅館では、ヒノキの精油を館内に噴霧して和の雰囲気を醸し出すことができます。客室はもちろん、館内のロビーや共有スペースにヒノキの森林の香りが行き渡れば、旅館ならではの落ち着いた空間が生まれるでしょう。お客様をリラックスした気分にさせ、上質な旅館体験を提供できます。

本記事の監修者

ウェルネスコンサルティング株式会社
代表取締役 葵 智恵子

葵 智恵子
葵 智恵子 保有資格

ホテル、車ショールーム、クリニックをはじめ全国200ヶ所以上で香り空間デザインを実施

アロマの資格として、英国IFA認定国際アロマセラピストという、英国では看護師と同等の医療従事者として扱われる資格を取得。アロマ検定本『アロマ物語』監修。

アロマ空間デザイナー養成のためのアロマ空間デザインスクールを経営しており、全国から法人・個人の受講者が集まっている。

【保有資格】

  • 英国IFA(国際アロマセラピスト連盟)認定 国際アロマセラピスト
  • (公社)AEAJ認定 アロマセラピスト
  • (公社)AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター
  • 日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
  • フランス調香師学校Grasse Institute of Perfumery Natural Fragrances Stage修了 Diploma取得
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