精油辞典：ヒバ

歴史やエピソード

ヒバは、ヒノキ科の常緑樹でアスナロとも呼ばれています。北方型は青森ヒバ（ヒノキアスナロ）とも呼ばれ、青森県を中心に栽培されています。南方型はアスナロと呼ばれ、鹿児島まで広く分布しています。
「明日はヒノキになろう」が“アスナロ”という呼び名の語源になったという俗説もある通り、外見はヒノキによく似ていています
ヒバは古代から神聖な木とされ、神社や寺院の建築に使用されてきました。特に青森ヒバは耐久性と香りが評価され、建材として重宝されました。
ヒバの樹皮や葉から抽出される成分は、防腐剤や防虫剤として利用され、また、民間療法では薬用としても使用されていました。ヒバには、抗菌や殺菌、防虫、消臭に優れた成分「ヒノキチオール」が含まれています。
北方ヒバから抽出される精油は青森ヒバ油と呼ばれています。

心への効果

ヒバの主な香り成分はサビネン、ピネン、ミルセンなどのモノテルペン類であり、これらは鎮痛やリラックス作用に優れ、心身を鎮静します。またヒバにはツヨプセンという成分が含まれ、森林浴のようなフレッシュな香りが心を落ち着かせ、ストレスを軽減します。イライラや神経の高ぶりを抑え、体の痛みを和らげ、緊張を緩めるため、安眠や質の良い睡眠を促します。
また、集中力を高め、仕事や勉強中の効率を向上させる効果もあります。

身体への効果

ヒバは循環促進に優れ、浮腫みや冷え、筋肉の緊張を緩和します。血流とリンパの流れを促進することで体が温まり、老廃物の排出が促されて浮腫みの緩和や予防につながります。また、循環促進作用は肩こりや腰痛の緩和にも効果的です。
ヒバに含まれるγ-テルピネンやα-ピネンは抗菌、抗ウイルス、抗酸化作用があります。これらの成分は肌のシワ、シミ、色素沈着を防ぎ、肌の再生を促すため、アンチエイジングにも効果があります。
また抗炎症や鎮静作用によって肌の炎症や怪我の痛みを鎮めます。

環境への効果

ヒバの精油に含まれる「ヒノキチオール」には強い防虫・抗菌効果があり、多くの研究によってその効果が明らかにされています。ヒバの作用によって減少効果が証明されているものにはサルモネラ菌、大腸菌、カンジダ菌、緑膿菌などが挙げられています。
古くから、防腐や防虫作用は知られており、寺社仏閣にも使用されてきました。白アリにも効果があります。
また高い抗菌効果により空気中や表面の細菌の繁殖を抑制します。これにより、臭いの原因となる細菌の活動を減少させ、消臭効果を発揮します。

おすすめの空間・店舗

ホテル

ヒバの香りは、心を落ち着かせる効果があり、快適な睡眠をサポートします。ヒノキチオールの抗菌作用が、清潔で安心感のある宿泊環境を提供します。また、ヒバの香りには、ヒノキチオールといった成分が含まれており、これには強力な抗菌・抗ウイルス作用があります。さらに、α-ピネンやリモネンといった成分も含まれており、これらはリラックス効果とストレス軽減に寄与するため、ゲストにリラックスした滞在を提供します。
客室やロビーでの使用が特に効果的で、訪れた瞬間からの良い印象を与えます。また、抗菌作用により、清潔な環境を維持することができます。

図書館

ヒバの主要成分であるヒノキチオールには強力な抗菌作用があります。この成分は、図書館や学習スペースの空気を清潔に保ち、利用者が快適に過ごせる環境を提供します。また、ヒノキチオールにはリラックス効果もあり、静かで集中しやすい雰囲気を作り出します。また、β-フェランドレンという成分は精神を落ち着かせ、集中力を高める効果があります。学習や読書に最適な環境を提供するため、利用者が長時間集中しやすくなります。

オフィスや会議室

ヒノキチオールの抗菌効果により、オフィスの空気を清潔に保ち、病気の予防に役立ちます。これにより、従業員の健康維持が期待でき、生産性の向上にもつながります。α-ピネンも精神を覚醒させ、エネルギーを高める効果があります。オフィス環境での集中力やモチベーションを向上させるのに役立ちます。
またヒバオイルに含まれるリモネンにはリフレッシュ効果があり、気分を高揚させる作用があります。これにより、従業員のストレスを軽減し、職場の雰囲気を明るくすることができます。