夏のオフィス・店舗では汗や湿気、カビなどが原因となり、不快な臭いがこもりやすくなります。梅雨から夏場にかけて生じる不快臭が漂う空間では、顧客への印象が悪くなるだけでなく、従業員の作業効率低下を招く可能性もゼロではありません。
そのような夏場の臭い対策として、アロマを活用することが有効です。アロマには、抗菌・消臭・防虫といった、夏場の空間を快適に保つ効果があり、衛生管理と空間演出の両方を実現することが可能です。
この記事では、夏場に発生する臭いの原因を紐解きながら、アロマがどのように役立つのか、さらにオフィス・店舗に適したおすすめの香りを紹介します。
オフィス・店舗の不快臭を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。

夏のオフィス・店舗に潜む「不快な臭い」の種類は?
夏の店舗・オフィスに潜む不快な臭いの主な種類として、次の3つが挙げられます。
- 汗・湿気が招く雑菌の繁殖による不快臭
- 空調機内部によるカビ臭
- トイレや給湯室などで発生する悪臭
ここからは、3つの種類について詳しく解説します。
汗・湿気が招く雑菌の繁殖による不快臭
人が多く集まるオフィス・店舗では、夏場になると汗や湿気による臭いが気になりやすくなります。特に、梅雨から夏にかけては湿度が高く、衣類や内装の素材などに付着した水分が蒸発する過程で不快臭が生じます。
また、雑菌が汗や皮脂に含まれるたんぱく質や脂質を栄養にして急速に繁殖することも、オフィス・店舗の不快な臭いに繋がる理由の一つです。
これらの不快臭は、布張りのイスやパーテーション、カーペットなどの繊維素材に残りやすくなります。一度しみ込んだ臭いは日常の清掃だけでは取り除きにくく、時間の経過とともに悪化するケースが少なくありません。

空調機内部によるカビ臭
夏場に頻繁に使用するエアコンは、内部に湿気がたまりやすく、カビの温床となる可能性があります。特に、業務用エアコンは、長時間稼働することでフィルターや熱交換器に結露が発生し、カビが繁殖しやすい状態です。
空調機内部に発生したカビ臭は、エアコン周辺だけでなく、室内全体にも広がります。天井や壁、カーテンや家具などにも臭いが付着し、換気や市販の消臭剤では解消できなくなるケースも見られます。
密閉性の高いオフィス・店舗では、カビ臭によって顧客からの印象を大きく損なう恐れがあります。特に、サロンや歯科医院など、衛生面が気になる職場では、夏場のカビ臭に注意することが大切です。
トイレや給湯室などで発生する悪臭
トイレや給湯室は、夏場に臭いがこもりやすい代表的な場所です。トイレでは、尿に含まれる成分が壁や床に付着し、それをエサに雑菌が繁殖することでアンモニア臭などが発生しやすくなります。
給湯室では、排水溝のぬめりや配管の汚れが悪臭の主な原因です。排水口に溜まった食べ残しや油分が腐敗することでガスが発生し、空間全体にこもり臭が広がります。ほかにも、排水トラップに溜まった水が蒸発し、本来ふたをする役割を果たしていた水がなくなることでで、下水の臭いが逆流するケースも少なくありません。
トイレや給湯室と廊下に仕切りがないオフィス・店舗では、これらの臭いがフロア全体に広がりやすいといえます。特に、湿度が高い日には臭いがきつくなるため、従業員や顧客に不快感を与える可能性があります。

夏場の悪臭が与えるビジネスへの悪影響
オフィス・店舗における臭いは、想像以上にビジネスへ大きな影響を及ぼします。特に、夏場は臭いが強くなりやすく、下記のような問題を引き起こす恐れがあります。
- 顧客の来訪・来店率が下がりやすい
- 従業員の集中力や作業効率が低下しやすくなる
- サマーインターンを実施する場合は新卒採用率が下がる恐れがある
以下では、悪臭が与えるビジネスへの悪影響について詳しく解説します。
顧客の来訪・来店率が下がりやすい
臭いは、その場所やその人の第一印象を大きく左右する要素です。店舗やオフィスに足を踏み入れた瞬間、嫌な臭いが漂っていた場合、訪れた方は無意識に「居心地が悪い」と感じ、長居を避ける傾向があります。
さらに、臭いは「見えない不快感」として記憶に残りやすく、一度でも不快な思いをした来訪者は、再訪をためらう可能性がゼロではありません。飲食店や美容院、サービス業の店舗では、リピート率低下などのリスクが高まります。
特に近年は、口コミやSNSを通じてネガティブな印象が広がりやすい時代のため、要注意です。
悪臭によるマイナス要素を減らすためには、オフィスに漂う空気の質に気を配ることが重要です。
従業員の集中力や作業効率が低下しやすくなる
職場に漂う悪臭は、従業員の集中力や作業効率に悪影響を及ぼします。人間の嗅覚は常に働いており、不快な臭いが漂う空間では、自律神経が乱れ、ストレスを感じやすくなるといわれています。
夏場のオフィス・店舗はエアコンで空気が循環することで、臭いが広がりやすい環境です。臭いの感じ方に個人差があるとはいえ、不快感を覚える環境では、社内全体の士気が下がりやすくなります。このような状況は、コミュニケーションの質やチームワークにも悪影響が出やすく、生産性が上がりません。
サマーインターンを実施する場合は新卒採用率が下がる恐れがある
企業の第一印象は、採用活動に大きく関連します。

サマーインターンに参加する学生は、業界や職種をある程度絞り込んでおり、インターン先で感じた雰囲気をもとに、志望企業を決める傾向があります。近年は給与や仕事内容以上に、職場の雰囲気・快適さを重視する学生が増えている状況です。
そのため、職場が不快な臭いに包まれていると「この会社は清潔感がない」「働きにくい」という印象を与えかねません。仕事内容や働きやすさがどれだけ好条件であっても、臭いを含めたオフィス環境が悪いと、就職先の候補から外れるリスクが高まります。
じめじめする夏場の悪臭対策にはアロマが有効!その理由も解説
湿度が高い夏場は、汗やカビ、雑菌などが原因で社内の至る箇所で悪臭が発生しやすくなります。そのオフィス・店舗の悪臭対策に有効なアイテムがアロマです。
アロマは香りを楽しむだけでなく、次のような効果を持っており、悪臭をはじめとした夏場のオフィス・店舗が抱える環境面の対策に効果的です。
- 抗菌・消臭作用があるため
- 空気をリフレッシュできるため
ここからは、上記が効果的な理由について詳しく解説します。
抗菌・消臭作用があるため
雑菌が繁殖したり汗や湿気が混ざったりすることで発生する不快な臭いの多くは、アンモニアや硫化水素などの揮発性成分が原因で発生します。アロマに含まれる植物由来の成分は、揮発性成分を分解・中和するため、抗菌・消臭に効果的です。
例えば、ユーカリに含まれる「シネオール」やラベンダーに含有する「リナロール」には抗菌・殺菌作用があり、臭いのもととなる菌の活動を抑制します。ペパーミントの主要成分であるメントールは、揮発性物質と反応して臭い成分そのものを変化させ、脱臭する効果を有しています。
アロマは消臭・芳香の機能があることから、夏場のオフィス・店舗で生じる不快感を抑えたいときに活用したいアイテムです。

空気をリフレッシュできるため
アロマは香りの力によって、オフィス・店舗の空気をリフレッシュできます。暑さや湿度、夏場特有の臭気からくる、ストレスを軽減する際に役立ちます。
例えば、グレープフルーツやレモン、オレンジなどのシトラス系のアロマは、明るく清涼感のある香りが特徴です。リフレッシュ効果が高く、夏場のじめじめとした空間の不快感を和らげたいときに効果的です。また、含まれている成分の一つである「リモネン」によって、従業員や来客者の気分を前向きに整え、環境からくるストレスを緩和する効果も期待できます。
アロマを上手に取り入れることで、空間全体の印象が大きく変わります。夏の不快感を軽減し、働く人にも訪れる人にも心地よい環境を提供することが可能です。
アロマは夏場の防虫対策にも効果的
臭いとあわせて夏に悩む問題として、コバエや蚊などの害虫トラブルが挙げられます。アロマには害虫が嫌う成分が多く含まれており、防虫対策に有効です。
防虫スプレーにはDEET(ディート)という強力な薬剤が含まれていることがありますが、アロマを使えばより自然で安全に対処することができます。

防虫対策に効果的なアロマとして、ペパーミントやユーカリ、シダーウッド、シトロネラールなどが人気です。これらの香りは人間にとっては爽やかで心地よく感じられる一方で、害虫にとっては不快な刺激臭となります。
特に、シトロネラールという成分は、蚊やハエ、ダニなどに対して忌避効果があることで知られています。
防虫スプレーとは異なりアロマは、フロア全体にフレッシュな香りを広げながら防虫対策をできることが魅力です。オフィス・店舗の印象を損なわず、安心して使用できます。
夏場の店舗・オフィスに適したアロマ5選
夏の不快な臭いや空気のよどみを解消するには、空間全体に清涼感と清潔感をもたらすアロマを使うことがおすすめです。
下記のブレンドアロマはリフレッシュ感と爽快感があり、オフィス・店舗に適しています。
アロマ | 特徴 |
ピュアペパーミント | 爽快感と透明感がある香りで、空気を浄化できる。脳内をすっきりさせる効果もあり、作業効率を高めたいオフィスに人気がある。 |
フレッシュユーカリ | ミントとユーカリの清々しい香りが特徴的であり、不快な臭いをリフレッシュできる。ストレスを鎮める効果も期待でき、クリニックやサロンなど、リラックス効果を促したい場所に適している。 |
イージーブリーズ | パインやユーカリ、ペパーミントをブレンドした香りで、突き抜けるような爽快感がある。深呼吸したくなるようなフレッシュさが特徴で、商談ルームや会議室などにおすすめ。 |
セリーン | ラベンダーの甘さとユーカリのシャープな香りが特徴的で、空気清浄効果が高い。窓が少なく空気がこもりやすいオフィス・店舗で使うと効果的。 |
バイフライ | 害虫が苦手とするハーブをブレンドした香り。木の温かみとフレッシュさが持ち味で、害虫が出やすい場所やフィットネススタジオなどで活用しやすい。 |
これらのアロマは、それぞれ異なる特徴を持ちながらも、共通して夏特有の臭いを抑えつつ、快適な空間を演出する点に優れています。
業種や空間の雰囲気に合わせてアロマを使い分けることで、臭い対策と香りによるブランディングを同時に実現できます。
【オフィス・店舗でアロマを使うなら】アロマ空間デザインを活用した臭い対策&ブランドイメージ向上がおすすめ!
オフィス・店舗でアロマを使う場合、香りを使った五感に訴求するブランディングである、「アロマ空間デザイン」を取り入れることをおすすめします。
「アロマ空間デザイン」とは、適切な機械で適切な香りを適切な濃度で香らせる、新たなブランディング手法の一つです。オフィス・店舗の不快な臭いを抑えるほか、香りによる企業ブランディングやファンづくりに効果を発揮します。
ウェルネスコンサルティング株式会社がサポートした、富士企画株式会社様では夏場にペパーミントやユーカリなどの爽やかな香りを活用し、オフィス内の清潔感を高めています。香りによる防臭・消臭・癒し効果によって、従業員のエンゲージメント率を高めることに貢献した事例です。
オフィス・店舗のブランディングや業界・職種によって適したアロマは異なります。フロアの空気を整えるだけでなく、ビジネス拡大の面でアロマを導入してみたい場合は、ぜひ一度、下記のボタンより当社へご相談ください。
まとめ
夏や梅雨の特有の不快な臭いは、汗や湿気、カビなどによって発生します。臭いはオフィス・店舗の第一印象になるポイントであり、悪臭が漂う環境ではビジネス面においてマイナスイメージになります。
オフィス・店舗の夏場の臭いを改善したい経営者・店舗オーナー様には、アロマを活用したアロマ空間デザインをおすすめします。フロアの空気をリフレッシュするほか、ブランディングやエンゲージメント率アップを促せます。