アロマ空間デザインで使用される香料には、どのような違いがあるのでしょうか?
香りについて考えるうえで「どちらを使えば良いのか?」「どんな違いがあるのか?」など疑問に思っている人もいらっしゃるかと思います。
アロマを使った空間デザインを依頼しようとしても、業者によっては天然のみを扱っていたり、合成専門だったり、と様々な業者があります。
今回は、天然香料と合成香料の違いの解説と、それぞれの人気な香りをご紹介します。
天然香料と合成香料の違い
天然香料と合成香料の違いを理解することで、自分に合った香りを選ぶことができます。
アロマは、天然のこともあれば合成の場合もあります。
天然香料には、ストレス軽減作用や集中力アップ作用、制菌作用などがあり、場面ごとに使い分けることでより高い効果を発揮します。
合成香料には、天然香料には出せない奥深さや深みを表現できるという強みもあります。
天然香料と合成香料はそれぞれ特徴が異なるので、それらを踏まえたうえで上手く活用しましょう。
天然香料の魅力と特徴
天然香料とは、植物から抽出される100%天然の素材で、構成する芳香成分の数は、数百種類に及ぶこともあります。それゆえ、とても奥深い香りになります。
天然香料は自然の恵みを感じることができるので、身体や心にも良い影響を与えることが期待されます。
近年の論文による研究結果によれば、下記のような作用があります。
- リラックス効果
- ストレス軽減
- 集中力アップ
- 制菌作用
- 抗アレルギー作用
- 抗炎症(消炎)作用
- 食欲増進
- 精神活性
- 自律神経調整
- 鎮静
- 鎮痛
このほかにも多くの作用が確認されています。
天然香料は原料の入手が難しく、価格が高い傾向にあります。
合成香料の魅力と特徴
一方で合成香料は、化学反応を利用して人工的に作られる香料で、原料には自然由来の成分や石油系成分があります。食品香料として使用できるものも含まれています。
合成香料は化学的な製品のため香りの再現性が高く、種類は約3,000にのぼり、多様な香りを再現できるという特徴があります。
合成香料には、主に下記の3つの種類があります。
- 単離香料:天然香料から特定成分を化学的に抽出したもの
- 半合成香料:天然原料を化学的に合成したもの
- 合成香料:完全に化学反応によって作られたもの
合成香料の抽出方法では、石炭・石油・ガスなどから成分を取り出し、化学反応を通じて香り成分を合成します。この過程には特殊な溶媒が必要です。
天然に比べて成分数が少ないことが多く、鼻につく尖った匂いになりがちで、好き嫌いも出やすいです。
なお、化粧品に使用される香料は表示上「香料」と記載され、天然か合成かは判断できません。
天然香料と合成香料の見分け方
香料の選び方や見分け方について、天然香料と合成香料の違いを知っておくことが重要です。
一般的に、商品には「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」という表記がない場合、香水や化粧品などで使用される香料のほとんどは合成香料です。
「アロマオイル」や「ポプリ」といった表記があっても、実際には合成香料である可能性があります。
アロマテラピーに興味をお持ちの方は、「精油」や「エッセンシャルオイル」と明記されている製品を選ぶことをお勧めします。
選ぶ際には、自分の好みや肌への影響も考慮しましょう。
天然香料と合成香料のアロマ空間の違い
近年では、顧客の嗅覚にアプローチする香りマーケティングという言葉が知られるようになりました。
香りを使った空間デザインを行うことで、ブランドの差別化を図り、顧客体験を向上させ、購買意欲を刺激するといった、顧客の五感の中でも特に感情や記憶に強く作用する嗅覚を活用しています。
顧客に統一感のあるブランド体験を提供したいなら、ブランドイメージと一致する香りを選ぶといいでしょう。
香りを最大限に生かし、心地よい職場や空間を作り出す手法としても注目されています。
天然香料と合成香料を上手に活用すれば、ビジネスの場をアロマ空間デザインによって魅力を高めることができます。
天然香料でアロマ空間デザインをした場合
天然香料でアロマ空間デザインをした場合は、下記のようなメリットがあります。
- 心身に良い効果がある
- 天然素材のナチュラルな香りが楽しめる
天然香料にはリラックス効果や集中力向上などの効果もあり、ビジネス環境でのストレス軽減や生産性向上も期待できます。
自然が生み出した天然素材の力を、肌で体感することができます。
合成香料でアロマ空間デザインをした場合
合成香料でアロマ空間デザインをした場合は、下記のようなメリットがあります。
- 空間になじみやすい
- 複雑な香りが作れる
- 高級感が出せる
天然香料に比べて、香りの強さや濃さもしっかりとしているため、空間への広がりも優れています。
その再現性の高さから、複雑な香りを作り出すこともでき、高級感の演出にはぴったりです。
天然香料|人気の香り3選
ベルガモットバースト
優雅な柑橘の香りに微かなビターなアクセントが加わった香りです。
新鮮なオレンジの皮を剥いた瞬間を思わせる活力に満ちた香りが、気分を明るくし、創造的な思考とリフレッシュ感を引き出します。
洗練されたベルガモットの柑橘の香りは、イタリアを象徴する香りで、アールグレイティーの香り付けにも使用され、上品で優雅な空間を演出し、多くの人々を魅了します。
オレンジフィールド
収穫したばかりのオレンジのフレッシュで爽やかな香りが特徴のオレンジフィールドの香り。
収穫期の畑一面に広がる甘くて心地よい香りは、気分を明るくし、元気を与えてくれます。
多くの人に愛される香りで、幅広い空間に適応しやすく、家庭やオフィス、公共の場など多くの場所で利用されます。
セリーン
ラベンダーの優しい甘さと、ユーカリの爽やかでシャープな香りが見事に調和した美しい香りです。
心を落ち着かせ、リラックスできる快適な空間を作り出します。
優れた空気清浄効果があり、風邪やインフルエンザ、感染症の予防に役立ちます。特にクリニックやショールームでの使用に最適です。
合成香料|人気の香り3選
センチャ
伝統的な日本の緑茶から着想を得た、非常に繊細な香りです。
このフレグランスは、最高級の緑茶を彷彿とさせる滑らかなアロマと、甘い茶葉の香りを兼ね備えた多面的な魅力を持っています。
テヴェール
フランス語で「緑茶」を意味するこの香りは、わずかにスモーキーなウッディノートとフルーティーで華やかな香りが絶妙に混ざり合い、上品で豪華な雰囲気を演出します。
この高品質で洗練された香りは、多くの高級ホテルで採用されています。
ゼスティチャンパカ
バリ島の祈りに欠かせないと言われるチャンパカの花に、フレッシュなレモングラスとウッディな香りを加えた、どこか懐かしさを感じさせる爽やかな緑茶の香りです。
まとめ
天然香料と合成香料の違いについて、下記のように解説しました。
天然香料:天然の植物から抽出された成分であり、自然な香りを持つ
合成香料:人工的に作られた化学物質であり、天然の香りを模倣することが可能
天然香料は自然の恵みを感じることができ、合成香料は奥深く、高級感のある演出ができます。
どちらも香りを楽しむための素晴らしい選択肢ですが、自分の好みや使用目的によって選ぶことが重要です。