名前 | ティーツリー |
学名 | Melaleuca alternifolia |
科名 | フトモモ科 |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
香り | フレッシュ、スパイシー、松やにのような香り |
主な成分 | モノテルペンアルコール類(テルピネン-4-オール)、 モノテルペン炭化水素類(γ-テルピネン/α-テルピネン)、 オキサイド類(1,8シネオール)など |
ティーツリーの歴史やエピソード
オーストラリアの先住民であるアボリジニが、この木の葉をお茶にして飲んでいたことから、ティー・トリー(Tea Tree)と名づけられました。
花は白く可愛らしく、若枝の紅色と緑葉の対比が鮮やかです。樹を切り倒して数か月すると根本から新芽が出るほどの生命力があります。
抗炎症作用と強壮作用にも優れており、旅行のときに持参したい精油のひとつです。
ティーツリー(学名:Melaleuca alternifolia)は、オーストラリアを原産とする植物で、その歴史はオーストラリアの先住民であるアボリジニの時代にまで遡ります。ティーツリーは、何千年もの間、アボリジニの人々にとって重要な薬用植物とされてきました。
アボリジニの伝統的利用
アボリジニの部族は、ティーツリーの葉を様々な方法で利用していました。ティーツリーの葉を砕いて傷口や皮膚の感染症の治療に使用したり、葉を水に浸して煎じ液を作り、これを咳や喉の痛みの緩和に用いるなど、ティーツリーの抗菌・抗炎症効果を活用していました。また、湿地帯に生えるティーツリーの木の葉を火にくべ、その煙を吸い込むことで、気道の浄化や呼吸を楽にするためにも利用されていました。
ティーツリーの名前の由来
ティーツリーという名前は、18世紀後半にオーストラリアを探検したイギリスの航海者、キャプテン・ジェームズ・クックの探検隊が命名したとされています。彼らは、現地のアボリジニがティーツリーの葉をお茶のように煎じて飲んでいたことを観察し、この植物を「ティーツリー」と呼ぶようになりました。クックとその乗組員たちは、ティーツリーの葉から作ったお茶が非常に健康的で、壊血病の予防にも役立つと信じていました。
20世紀の発見と研究
ティーツリーが本格的に注目を浴びるようになったのは、1920年代にオーストラリアの化学者アーサー・ペンフォールド(Arthur Penfold)が、ティーツリーの精油の研究を始めてからです。彼は、ティーツリー精油が非常に強力な抗菌・抗真菌作用を持っていることを発見し、この発見は世界中の医学界に衝撃を与えました。ペンフォールドの研究により、ティーツリー精油は傷の消毒、皮膚感染症の治療、虫刺されのケアなど、様々な医療用途に使用されるようになりました。
第二次世界大戦中には、オーストラリア軍の医療キットにティーツリー精油が含まれるようになりました。兵士たちは、この精油を切り傷や擦り傷の消毒に使用し、その効能を体験しました。この時期から、ティーツリー精油は「オーストラリアの天然抗生物質」として広く認識されるようになりました。
ティーツリーの効果効能
心への効果
シャープで清潔感のある香りにリフレッシュ効果があり、高ぶった感情を冷静にします。怒り、ヒステリー、ショックなどの感情があるときに役立ちます。
また沈んだ気持ちに元気を与え、気力を活性化させてくれます。
頭の働きを明晰にさせ、記憶力・集中力を高めます。
- 沈静作用(リラックスし心を落ち着かせることができる作用)
- リフレッシュ作用(ストレスや疲れを取り除き、心身をリセットしてリラックスし、新たなエネルギーや活力を取り戻す作用)
- 頭脳明晰作用(記憶力、集中力、注意力を高める作用)
身体への効果
免疫に対しての効果があります。抗ウイルス・殺菌・殺真菌作用が並外れており、さまざまな感染症の予防や皮膚疾患に役立ちます。白血球を活性化させる力もあり、病気の回復を早めます。
呼吸器に対しては、カタル性の疾患に役立ちます。風邪のときはユーカリとブレンドして吸入すると良いでしょう。胸部にトリートメントオイルをすり込んでも良いです。
抗炎症作用もあるため、切り傷、虫刺され、床ずれのほか、やけどや日焼けの炎症を鎮めるのにも効果的です。
その他、止痒作用や瘢痕形成作用があります。
- 抗ウイルス・抗菌・抗真菌作用(細菌や真菌の増殖を抑制したり、細菌や真菌を殺す作用)
- 白血球活性化作用(白血球を活性化させ、免疫力を高める作用)
- 去痰作用(粘液を溶解する作用)
- 抗炎症作用(関節炎や筋肉の痛み、その他炎症症状を軽減する作用)
- 止痒作用(かゆみを抑制し、かゆみを和らげる作用)
- 瘢痕形成作用(組織が傷ついたり損傷を受けたりした際に、傷跡や瘢痕が形成される作用))
環境への効果
感染症には欠かせない精油です。雑菌(連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌など)はもちろん、各種ウィルス、真菌(カビ)に対しても、精油に含まれる成分「テルピネン-4-オール」が威力を発揮します。毎日入浴で使っていたら、浴室にカビが生えなくなったという事例もあります。
- 抗ウイルス・抗菌・抗真菌作用(細菌や真菌の増殖を抑制したり、細菌や真菌を殺す作用)
おすすめの空間・店舗
クリニック
ティーツリーは、その強力な抗菌、抗ウイルス、抗炎症効果で知られており、さまざまな商業空間での使用に非常に適しています。テルピネン-4-オールはティーツリーの主要成分であり、強力な抗菌、抗ウイルス作用があります。これにより、空気中の病原菌を抑制し、感染リスクを低減する効果があります。
また、α-テルピネンとγ-テルピネンは、抗炎症作用や抗酸化作用があり、医療施設の環境を清潔で健康的に保つことができます。
フィットネスジム
テルピネン-4-オールの抗菌作用により、フィットネスクラブやジムの空気中の細菌やウイルスを抑制するため、運動中に清潔な環境を提供します。また、ティーツリーに含まれる1,8-シネオールには鎮静作用と気分を高揚させる効果があり、トレーニング中の集中力を高めます。また、筋肉の疲労回復にも役立ちます。
介護施設
ティーツリーは、介護施設での使用に非常に適しています。ティーツリーの強い抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用は、介護施設の衛生環境を向上させ、入居者の健康と快適さを保つのに役立ちます。
鎮静作用とリフレッシュ効果があり、入居者のストレスを軽減し、リラックス効果をもたらします。