名前 | スペアミント |
学名 | Mentha spicata |
科名 | シソ科 |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
香り | 甘味のあるフレッシュなミントの香り |
主な成分 | ケトン類(l-カルボン)、モノテルペン炭化水素類(リモネン)、オキサイド類(1,8シネオール)、アルコール類(メントール)など |
歴史やエピソード
スペアミントは地中海地方と北アフリカを原産とする多年草です。
他のミントに比べ、香りは柔らかく清涼感のある刺激も弱めです。
スペアミントの「スペア」は「spear(槍)」を意味しています。槍の形をした葉を持つミントの特徴に由来しています。
スペアミントの歴史はペパーミントよりも古く、紀元前から消臭やネズミ除けとして利用されたと記録が残っています。また食事の後のデザートや飲料の香り付けに使用され、薬草としても広く利用されていました。
古代ギリシャ人は料理や風呂にもスペアミントを使用していたとされます。
口腔ケアにも古くから使用され、今でも歯磨き粉の香り付けなどにも使用されています。
スペアミント(学名:Mentha spicata)は、古代から広く利用されてきたハーブで、その歴史は紀元前まで遡ります。スペアミントは地中海地域を中心に栽培されてきましたが、古代エジプト、ギリシャ、ローマの時代には、既に薬用植物として高く評価されていました。
古代エジプトでは、スペアミントは防腐剤や香料として使用されており、ミイラの防腐処理に使われることもありました。エジプトの墓の中からスペアミントの遺物が発見されたことからも、この植物の重要性が伺えます。また、スペアミントは食事の後の口臭予防や消化促進のために利用されていたとも言われています。
古代ギリシャでは、スペアミントは医療や宗教儀式に使用されていました。ギリシャ神話によれば、スペアミントは冥界の神ハデスに愛されたニンフ、ミンテ(Mentha)が嫉妬深い冥界の女神ペルセポネによってミントの植物に変えられたことから生まれたとされています。スペアミントはそのため、清浄さや浄化の象徴とされ、病気の治療や精神の浄化に使われるようになりました。ギリシャ人はまた、スペアミントを浴槽に入れて身体を清めたり、宗教儀式の際に空間を浄化するために使用していたとも伝えられています。
ローマ時代には、スペアミントは食事の前にテーブルを清めるための香料として使用されました。また、消化を助けるために料理にも取り入れられていました。ローマ人は、スペアミントの香りが心を落ち着かせ、幸福感をもたらすと信じており、これが食事の際のリラックス効果を高めるのに役立っていました。
中世ヨーロッパにおいても、スペアミントは医療や家庭で広く使われていました。特に、スペアミントの葉は、歯磨きの材料としても使用され、口臭予防に効果があるとされていました。また、中世の修道士たちは、スペアミントを修道院の庭で栽培し、その薬効を活用していました。彼らは、スペアミントが胃腸の不調を和らげるのに役立つことを発見し、その後、この知識が広く伝わりました。
スペアミントの効果効能
心への効果
清涼感のある香りには、沈静作用があるとされ、イライラした時、暑苦しい時など、「スーッ」と気を静めてくれます。
香り成分のl-カルボンがリラックス効果をもたらし、ストレスが溜まっている時や気が張り詰めている時などに役立ちます。気持ちを落ち着けたいとき、気分転換したい時に適しています。
スペアミント精油は、その爽快で清涼感のある香りが心に多くのポジティブな効果をもたらします。まず、リフレッシュ効果が非常に高く、心をクリアにし、疲れた精神をリセットするのに役立ちます。スペアミントの香りは、心を軽やかにし、前向きな気持ちを引き出す効果があります。
また、スペアミント精油は、集中力を高める効果もあります。仕事や勉強の際にこの香りを取り入れることで、注意力が向上し、効率的に作業を進めることができます。スペアミントの清涼感が脳を刺激し、シャープでクリアな思考を保つのに役立ちます。
さらに、スペアミント精油は、ストレスを和らげ、心を落ち着かせる効果も持っています。香りを嗅ぐことで、日常のストレスや不安を軽減し、リラックスした状態を保つことができます。このため、リフレッシュしたい時やリラックスしたい時に最適です。
- 沈静作用(リラックスし心を落ち着かせることができる作用)
- リフレッシュ作用(ストレスや疲れを取り除き、心身をリセットしてリラックスし、新たなエネルギーや活力を取り戻す作用)
身体への効果
殺菌・消臭作用があり、古くから口臭予防や虫歯予防で口腔ケアに使用されてきました。
喉や鼻の炎症を鎮める効果もあるので鼻水や咳の改善も期待できます。
消化器系の強壮作用があり、便秘や下痢などにも有効です。腹部の膨満感を解消し、溜まったガスを排出しやすくしてくれます。
また、乗り物酔いや、二日酔い、頭痛の緩和にも役立つとされています。
肌への効果としては、止痒(しよう)作用により、虫刺されなどの、肌のかゆみを和らげる効果が期待できます。抗炎症作用や皮脂分泌のバランスを整える働きにより、ニキビの予防・改善にも有効です。
- 殺菌・消臭作用(微生物や臭いの原因となる物質を除去し、衛生的な状態を維持する作用)
- 抗炎症作用(炎症に関連した症状や病態を緩和する作用)
- 鎮痛作用(痛みを和らげる作用)
- 止痒作用(かゆみを抑制し、かゆみを和らげる作用)
- 消化器強壮作用(消化器系の働きを改善する作用)
- 皮脂分泌調整作用(皮脂分泌を正常にする作用)
環境への効果
昆虫忌避作用があります。昆虫や小動物はスーッとするミントの刺激を嫌うといわれています。
抗菌作用があり、O-157の流行した当時、少量のハッカ油で大腸菌が滅菌したとの結果がメディアでも多く取り上げられました。
空間に芳香することで、インフルエンザや風邪の予防にもなります。
スペアミント精油を空間に香らせることで、多くの効果が得られます。まず、その爽快で清涼感のある香りは、空間全体をリフレッシュし、心地よい雰囲気を作り出します。この香りは、ストレスを和らげ、リラックスした気分を提供するのに役立ちます。リビングルームやオフィスでの使用に最適です。
また、スペアミント精油は、空気を清浄にする効果もあります。抗菌作用があるため、空間に漂わせると空気中の菌やウイルスを抑制し、健康的な環境を保つことができます。特に風邪やインフルエンザが流行する季節には、予防策として空間に香らせるのが効果的です。
さらに、スペアミントの香りは、集中力を高める効果も持っています。仕事場や勉強スペースに香らせることで、注意力が向上し、作業効率が上がります。スペアミントの爽快感が脳を刺激し、クリアで集中できる環境を作り出します。
また、スペアミント精油は、気分を高める効果も持っており、疲れた時や元気が欲しい時に空間に香らせることで、活力を取り戻すのに役立ちます。ディフューザーで香りを広げることで、空間全体に爽やかなエネルギーをもたらします。
- 防虫作用(虫刺されを予防したり、虫を寄せ付けない作用)
- 抗菌・抗真菌作用(細菌や真菌の増殖を抑制したり、細菌や真菌を殺す作用)
- デオドランド作用(体臭を軽減し、不快な臭いを防ぐ作用)
おすすめの空間・店舗
フィットネスジム
スペアミントのエッセンシャルオイルは、その爽やかな香りと多くの健康効果で知られています。スペアミントには、メントール、カルボン、リモネンなどの成分が含まれており、これらの成分がそれぞれ特有の効果を発揮します。
スペアミントの主要成分であるメントールには、強力な冷却作用と鎮痛作用があります。運動後の筋肉疲労を和らげ、リフレッシュ効果を提供します 。カルボンには抗菌作用があり、フィットネスクラブやジムの空気を清潔に保つのに役立ちます。また呼吸を楽にし、運動中のパフォーマンスを向上させる効果があります 。
オフィスや会議室、学習塾など
オフィススペースでスペアミントの香りを導入することで、従業員の集中力と生産性を向上させることができます。ディフューザーをオフィス内の各所に設置し、適度に香りを拡散させることで、持続的にリフレッシュ効果を享受することができます。特に会議室や休憩室での使用が効果的で、会議や休憩の際にリラックスしやすい環境を提供します。
また消臭効果もあるため、会議室のこもりがちな空気も、清潔にかつ不快なにおいを消臭してくれます。
介護施設
スペアミントに含まれるメントールは呼吸を楽にし、頭をすっきりさせる効果があり、スタッフの方々や介護施設の入居者がリラックスできる空間になります。また、抗菌作用があるため、空気中の病原菌を減少させ、感染リスクを低減してくれる効果もあります 。施設内の衛生環境が向上し、入居者の健康が守られます。
すっきりとした香りが、介護施設を利用するスタッフや入居者のストレスを軽減し、精神的な明晰さを促進します。明るい雰囲気にもなるので、とても相性の良いオイルです。
スペアミントがブレンドされたオイル
国際アロマセラピスト資格を持ったアロマのプロが選定したエッセンシャルオイルを、ぜひ空間デザインにご活用ください。