夏は日差しが強いため、日焼け止めや日傘で対策しても肌が焼けてしまうこともありますよね。
夏の強い日差しを浴びた後、肌がヒリヒリと痛んだり赤くなったりする状態を日焼けと言います。日焼けは肌への軽いやけどともいえる状態で、放置しておくとシミやシワの原因にもなりかねません。
そんな日焼け後のケアに役立つのが、自然の恵みを生かした「アロマ(精油)」です。
この記事では、日焼けの概要とアロマが日焼けケアに役立つ理由、おすすめのアロマについて紹介します。
日焼けとはどんな状態?

日焼けとは、紫外線を浴びることによって肌が炎症を起こした状態のことを指します。特に影響を与えるのは、「UV-B(紫外線B波)」と「UV-A(紫外線A波)」の2種類です。
UV-Bは肌の表面にダメージを与え、赤みやヒリつき、乾燥などを引き起こします。いわゆる「赤い日焼け」の原因です。一方、UV-Aは肌の奥深くまで届き、時間をかけてコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうため、シワやたるみ、シミなどの「光老化」を引き起こします。
赤く炎症を起こした日焼けは、通常2〜3日ほどで落ち着きますが、その後メラニン色素が過剰に生成されることで、肌は黒く変化し、この状態が数週間から数か月続くこともあります。
アロマが日焼けケアに効果的な理由

日焼けしてしまった肌には、
- 冷却
- 保湿
- 再生
という段階的なケアが必要です。まずは火照りを鎮める「冷却」、次に肌を潤す「保湿」、そして肌の修復を促す「再生」の順番でケアをします。
この3つのケアをサポートしてくれるのが、アロマです。
アロマ(精油)には、植物が本来持っている、抗炎症作用や抗酸化作用、細胞再生を促す作用、等があります。日焼けによってダメージを受けた肌をやさしく整えるだけでなく、香りによるリラックス効果もあるため、心身の両面から癒しを得ることができます。
また、自然由来の成分であることから、化学成分を避けたい人にも適したケア方法です。
日焼け後におすすめの精油
日焼け後のケアにおすすめなアロマの種類について紹介します。
ラベンダースピカ

ラベンダーは、アロマテラピーの中でも特に人気の高い精油で、「万能の精油」としても知られていますが、その中でも様々な種類があります。
中でも、ラベンダースピカはフレッシュな香りが特徴のアロマで、日焼けによって赤くなり、ヒリヒリと痛む肌に対して、優れた抗炎症作用と鎮静作用を発揮します。また、皮膚細胞の修復を助ける作用もあり、日焼け後の肌の再生をサポートしてくれます。
ペパーミント

日焼けで熱を持った肌には、ペパーミントの精油がぴったりです。メントールを多く含むペパーミントは、塗布するとスーッとした清涼感をもたらし、火照った肌を一気にクールダウンしてくれます。
さらに、抗炎症作用もあるため、赤みや軽い痛みを和らげる効果も期待できます。ただし、刺激が強めの精油でもあるため、必ずキャリアオイルでしっかりと希釈して使用することが大切です。
ティーツリー

ティーツリーは強い抗菌・抗ウイルス作用を持つことで知られており、軽いやけどや日焼け後の肌にも安心して使える精油です。
肌の炎症を鎮めつつ、細菌の繁殖を防ぐため、日焼けによって弱った肌を清潔に保ち、トラブルを防ぐ役割も果たします。ニキビ肌やオイリー肌の方にも向いており、夏場のスキンケアにおすすめの精油です。
カモミール

カモミールは、敏感肌や子どもの肌にも使えるやさしい精油です。
特に「ローマンカモミール」は、赤みやヒリヒリを和らげる優れた鎮静作用があり、肌の炎症や刺激をやわらげる効果が期待できます。香りにもリラックス効果があり、心身のバランスを整えてくれます。
フランキンセンス/ゼラニウム/ネロリ/ヘリクリサム/ロックローズ
これらは、「冷却・保湿・再生」のうち、「保湿・再生」部分に効果があるアロマであり、日焼け後の赤みや炎症が落ち着いた回復期には、肌の再生をサポートする効果が期待できる精油が役立ちます。
アロマ | 効果 |
---|---|
フランキンセンス | 皮膚のターンオーバーを促進し、シミや小ジワの予防の効果が期待できます。 |
ゼラニウム | 皮脂バランスを整える働きがあり、乾燥とテカリが混在する夏の肌にぴったりです。 |
ネロリ | しっとりとした保湿力に加え、精神的な緊張を和らげる効果もあり、心身ともに整えることができます。 |
ヘリクリサム | 「永久花」とも呼ばれ、強い抗炎症・細胞再生作用を持つ精油で、色素沈着やダメージ跡のケアにも適しています。 |
ロックローズ | 抗炎症作用や組織再生作用があり、日焼け後の肌の修復に役立ちます。保湿効果もあるため、皮膚の水分量を保ち乾燥を防ぐ効果も期待できます。 |
日焼けケアにおすすめのアロマの使用方法

日焼けケアを目的とした場合のおすすめのアロマ使用方法を紹介します。
肌の状態や好みに応じて、自分に合った方法を取り入れてみてください。
化粧水
精製水にグリセリンを加え、そこにお好みの精油を数滴混ぜるだけで、オリジナルのアロマ化粧水を作ることができます。スプレーボトルに入れて、よく振ってから日焼けした肌にスプレーします。
冷蔵庫で冷やしておけば、清涼感がアップし、ほてった肌を効果的にクールダウンさせることができます。
アロマ冷湿布
ボウルに冷たい水を用意し、ラベンダーやカモミールなど、鎮静効果の高い精油を1~2滴垂らします。そこに清潔なタオルを浸し、軽く絞って肌に当てると、ほてりや赤みがやわらぎます。
ひんやりとした感触とアロマの香りが、肌だけでなく気持ちも落ち着かせてくれます。
トリートメントオイル
日焼け後の保湿と修復には、トリートメントオイルの使用がおすすめです。ホホバオイルやスイートアーモンドオイルといったキャリアオイルに、精油を1〜2滴加えてよく混ぜます。
そのオイルを、お風呂上がりや夜のスキンケアのタイミングで肌になじませ、やさしくマッサージするように塗り込みましょう。乾燥を防ぎながら、日焼けによってダメージを受けた肌の回復をサポートしてくれます。
アロマを使用する際の注意点

精油は天然成分ではあるが濃度が高いため、使用には注意が必要です。
ここでは、アロマを使用する際の注意点について紹介します。
敏感肌の場合はテストが必要
また、柑橘系の精油(レモン、ベルガモットなど)には、光感作と呼ばれる性質があり、日中に肌に塗ったまま紫外線を浴びると、シミや炎症の原因になることがあります。
柑橘系の精油は夜の使用や、肌に塗らないディフューザーでの使用がおすすめです。
妊娠中の方は一部精油の使用を避ける
アロマの中には子宮を刺激する作用を持つ精油もあり、妊娠初期はもちろん、安定期に入ってからも避けた方がよいものがあります。
また、妊娠中は肌が敏感になりやすく、これまで問題なく使えていたアロマでも刺激を感じることがあります。そのため、使用する精油の種類と量には十分注意し、なるべく刺激の少ないものを選び、控えめな使用を心がけましょう。心配な場合は、使用前に医師や専門家に相談するのが安心です。
まとめ
日焼けは思っている以上に肌に負担をかけているため、しっかりとケアをし、肌へのダメージを最小限に抑えることが重要です。
日焼け後のケアに天然成分のアロマを使用することで、肌も心もやさしくケアすることができます。正しい知識と使い方を身につけ、ぜひ実践してみてください。